―――平穏が欲しかった。
突如として奪われた日常も、神様がいないと知った事実も。孤独に耐え抜くことで得られるはずだと信じて疑わなかった。そうして無意味な日々を耐えて、価値ある時間を手に入れた。出逢いが変えてくれたのだ。誰一人知らない土地でも楽しいと感じることが出来た。普通でいい。今が永遠に続くのなら。なのに、また灰色に戻っていく。何処で間違ったのだろう。何が足りなかったのだろう。


「…全ては、俺が、弱いからいけないんだ」


ずっとそう思って走り続けてきた。両親がいなくなった日から、己が弱さを克服するために。強さだけが世の中の全てだと。だけどまだ足りない。どれほど努力すればいいのだろう。どれほど頑張ればいいのだろう。叶えたい大きな夢なんてない。ただただ、平穏が欲しいだけなのに。


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某曲を聞いて衝動的に

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