僕が見ている星はずっとずっと前に輝いた。だからこの瞬間、消滅したとしても、誰にも気付かれない。見えなくなって、ようやく消えたと知るのだ。那月がいなくなっても砂月がいるのなら、みんなはいつ気付いてくれるのだろう。何時間、何日、何ヶ月、何年経てば。 「馬鹿かよ、すぐに気付くっての」 「…真面目に答えてよ」 「真面目だろうが」 翔ちゃんは僕の頭をコツンと小突いて、もう一度、馬鹿と言う。 「すぐだなんて無理、絶対に無理」 「そんなの、分かんねぇだろ」 お前だって確証もないのに否定するなと、ベッドに腰を下ろしていた僕は抱き締められた。それでも不安は取り除けないけれど、きっと翔ちゃんは悲しんでくれるのだろう。胸を痛めてくれるのなら、消える価値はあるのかもしれない。 |