50万打フリリク企画 | ナノ


▼ おまけ

(付き合ってちょっと経ってから)

「そういえば」
「うん?」
「聞きたいことがいくつかあるんだが」
「なになに?」
「図書館で会ったとき、君はもう俺のことを知っていたということでいいのか?」
「うん。もちろん名前も歳も住んでた場所も知ってたよ。でもアパートからいなくなった後吉海さんがどこに行ったかわからなくて…探すの時間かかっちゃったなぁ」
「あぁ…それで半年か」
「そんなに遠くには行ってないはずだって思って、住んでたアパートの周りを中心に張り込みしたんだよ」
「張り込み…」
「…引いた?」
「いや、引かない。そこまでして探してくれていたとは予想もしてなかったが」
「俺は一途な男だからね。で、次の質問は?」
「あぁ。初めてだと言っていたのに何故だろう、と気になることがあって」
「…え?」
「乳首もそうだし…俺が指でほぐしてたとき、自分の気持ちいい場所を知っていただろ?どうしてなのかなと。あ、あと舐めるのもかなりうまかったし…」
「…」
「葵?」
「…それ聞く?」
「ごめん。無神経だったか」
「吉海さんってもしかして天然なの」
「天然…いや、言われたことはない」
「…」
「…」
「…男同士でめんどくさいって思われたくなかったから」
「…めんどくさい?」
「失敗したくなかったし、絶対抱いてもらいたかったから、その…練習っていうか」
「練習?」
「…あーもう!」
「うおっ」
「吉海さんとそういうことするときの妄想して、自分で弄ってたって言ったらわかりますか!」
「じ、自分で、弄る…」
「これはさすがに引いたでしょ?あぁもうやだ」
「いや…葵」
「なにっ」
「ありがとう」
「へ」
「こんなに想われたのは初めてだから、嬉しい」
「…ほ、ほんと…?」
「あぁ。あのときはあまりうまくできなくて悪かった。俺も勉強して、次はもっと上手にできるようにする。葵をもっと気持ちよくできるように頑張るよ」
「…うーん。それはいいや」
「ど、どうして?」
「これ以上吉海さんに骨抜きにされたら、俺困っちゃうもん」
「それは…駄目なことなのか?」
「駄目っていうか。急がば回れって言うじゃない?焦ってもいいことないよ」
「焦っているわけじゃ…」
「吉海さんの気持ちが俺と同じくらいに追いついてくれるまで、ね。ゆっくりがんばろ?」
「…」ぎゅう
「わは、痛いよ」
「早く追いつけるように努力する」
「先は長いよ?なんてったってこっちは数年間じっくり熟成させてますからね」
「君はすごいな」
「すごくないよ」
「途中で他の人を好きになったりしなかった?」
「まぁ、気になる子とかはいたけど…やっぱり吉海さんが一番かなぁ」
「吊り橋効果かもしれないぞ」
「あはは、そうかも。でも本当にね、泣きそうな俺の手を引いてくれたこととか、良い子だなって頭を撫でてくれたこととか、ずーっと心に残ってたから」
「そんなにかっこいい奴じゃなかったはずなんだけど…」
「吉海さんはかっこいいよ」
「面と向かって言われると照れるな」
「…ちょろすぎない?」
「え」
「他の人にもそんな風なの?俺みたいな奴にセックスしようって誘われてもついていかないでよ?絶対許さないからね」
「いかないよ…」
「でも俺にはついてきたじゃん」
「それは…」
「それは?」
「…なんでだろうな?」
「俺に聞かないでよ」
「なんでだろう」
「押しに弱いからじゃない?」
「いやいや、いくら弱くてもさすがに見知らぬ奴にセックス云々言われたら断るだろ」
「でも俺とは最後までした!」
「なんで怒ってるんだ?」
「吉海さんがちょろいから!」
「ちゃんと好きだぞ?」
「!」
「君とならしてもいいと思えたから、最後までしたんだ」
「…吉海さん」
「ん?」
「あと100回好きって言って」
「100回…?」
「100回!」
「わかった。いいよ」
「へへ」

end.




あやかさんリクエストで、「拍手文の続きが読みたい」でした。
かなり長い間完結せずに放置してしまっていましたが、ようやく短編として書き上げることができました。とりあえずサラリーマンとビッチ高校生が書きたかったはずなのに、葵がただの純情少年になってしまいました。付き合ってからは吉海にいっぱい甘やかされていればいいなと思います。社長に「葵くんを俺にください!」と土下座する話なんかも気が向けば書いてみたいです。

素敵なリクエストをありがとうございました!楽しんでいただけますように!

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