50万打フリリク企画 | ナノ


▼ 本日デート日和

今度のテストで全教科平均点以上とったら何でも一つ言うことを聞く。そもそもこんな約束をしたのが間違いだった。

「じゃあ制服デートしたい」
「…そんなのでいいのか?」
「うん」

――いつも赤点スレスレなひかるが、まさか本当に約束を果たすとは思わなかったのだ。

「か…っ!!かわ…!!聡太郎…可愛い!!!」
「…」

息が詰まるほど強く抱きしめられ、仏頂面でそれを押し返す。

「…帰りたい」

今すぐ帰らせてくれ。

「駄目だよ!約束なんだから!制服デート!」
「俺が思ってた制服デートと違う!」
「大丈夫だって!こーんなに似合ってるんだから誰も気づかないって!」
「似合ってたまるか!そもそもなんで女子の制服なんて持ってるんだよ!」

そう。ひかるの言う「制服デート」とやらのせいで、俺は今女装をさせられている。

普段顔を隠すために伸ばした髪はひかるの手によってアレンジされ、鏡に映る自分は我ながら嫌になるほど女の子だった。見慣れたチェックのスカートと紺色のブレザーは、間違いなくうちの高校のものだ。

「実は姉ちゃんがうちの学校の卒業生なんだよね。あの人女子基準だと背高いほうだから、聡太郎と同じくらいだしサイズ合うかなーって」
「これお姉さんのなのか…」

ますますなんともいえない気持ちになる。確かに遺伝なのかひかるもお姉さんも背が高いけれど、こうもぴったり合ってしまうとは…。

「さ、行こっ!今日は映画ね!」
「ちょっ、ばか、こんなとこで…」

所謂恋人繋ぎで手を引かれ、振りほどこうして踏みとどまる。そうか。今この格好で手を繋いだとしても、誰も怪しむ人はいない。周りの人がちゃんと俺たちを男女のカップルとして認識していればの話だが。

人の目を気にしないでいいというのは思わぬメリットかもしれない、と思いかけて慌てて首を振った。女装なんてとんでもないのに、何を喜んでいるんだ俺は。

「へーきへーき。ね、そうちゃん?」
「誰がそうちゃんだ」



どの映画を見るかはあらかじめ決めてあった。今話題のSFものである。

「本日カップル割引デーとなっております」

受付の店員にそんなことを言われギョッとする。思わず隣を見上げると、ひかるは気にした風でもなくじゃあその割引お願いします、なんてへらへらと笑っていた。

「これ駄目なんじゃないのか…カップル割引とか…」
「なんで?カップルじゃん」
「そうだけど、でも映画館側が想定してるカップルの定義からは外れてるだろ」
「知らない。あのお姉さんが俺と聡太郎のこと見てカップルだって判断したんだから、カップルなの!」
「それはそれで複雑というか…」

ただでさえ女顔なのがコンプレックスなのだ。

口ごもる俺の耳元でひかるが囁く。

「俺の可愛い可愛い恋人だもんね」

ドキリと心臓が跳ねた。これじゃまるで俺が可愛いと言われて喜んでいるみたいじゃないか。

「…ふん!嬉しくない!」
「えーもう…機嫌直してよ…あっ、そーちゃんポップコーン食べよ?ね?」

悔しくなってわざとむくれてみせると、慌てて売店のメニューを指差される。こうなったらとことん我侭言ってやろうではないか。

「…キャラメルがいい。でも塩も食べたい」
「うんうん。それならハーフのやつにしよっか。ジュースはいらないの?」
「オレンジ」
「じゃあ俺はメロンソーダにしよっと。聡太郎好きでしょ、メロンソーダ」

だがひかるは堪えた素振りも見せるどころか、むしろ嬉しそうに俺の顔を覗き込んでくるので、いたたまれなくなってやっぱりいいと首を振った。

「えっ、なんで?」
「自分のは自分で払う。お前はお前で好きなのを頼んだらいい」
「やだ!」
「やだと言われても…別におごってもらう必要はないし」
「だってデートだよ!?ちょっとくらい彼氏面させてよ!!」
「何だよ彼氏面って…」
「俺!そうちゃんの彼氏!」
「馬鹿!声がでかい!」

声高らかに宣言するひかるの口を慌てて塞ぐ。こいつには羞恥心というものがないのか。周りの客に笑われているじゃないか。

いつもならばグーで背中を叩くくらいのことはしているが、今は人の目が気になってそこまではできなかった。(見た目)女子高生が拳で男を殴っていたら、不自然極まりないだろう。

「もうなんでもいいから、あんまり大きな声を出すな」
「じゃあポップコーン一つと、ジュース二つね。買ってくるからここで待ってて」
「分かった。こっちのコーナー見てる」
「はーい」

待っている間グッズでも見ていようと振り返ると、こちらにやってきた小さな男の子にぶつかってしまった。

「わ…っ」

こけてしまったその子に慌ててしゃがみ込み手を差し出す。

「ごめんね。大丈夫?怪我してない?」
「うん、だいじょーぶ」

良かった、と胸を撫で下ろした瞬間、その男児が俺のスカートの中を指さした。

「お姉ちゃん、なんで女の子なのに男の子のパンツはいてるの?」
「えっ、あっ…こ、これは」

しまった。スカートなのを忘れていた。

「ママ、このお姉ちゃんのパ…」
「わぁぁぁ!!待って、内緒にして!ね?パンツの話なんかしたら恥ずかしいよ?ね?」
「だって、変だよ」
「へ、変じゃないよ。これはパンツじゃなくて…そう!スパッツ!スパッツだから!」

必死で引き止める。やめてくれ。パンツなんかどうだっていいじゃないか。

それもこれも全部あいつのせいだ。俺が変態のレッテルを貼られ社会的に死んだら、一生恨んでやる。

「…どうして俺以外の男に軽々しくパンツなんか見せてるの…?」

背後で不穏な気配を感じ取り振り向くと、会計を済ませたひかるがポップコーンとジュースを抱えたままこちらを見下ろしていた。

「おいそこのクソガキ…そうちゃんのパンツを見ておいて生きて帰れると思…」
「何言ってんだ子ども相手に!!もういいから行くぞ!!」

ぎゃあぎゃあと騒ぐひかるの腕を掴み、入場口に引っ張る。一刻も早くこの場から逃げ去りたい。

「だって!俺だってまだ今日見てないのに!あんなガキんちょに先越されたとか!」
「バカッ!」

お前がスカートなんか履かせるからこんなことになるんだろうが!



さすが話題作なだけあって、映画は面白かった。映画は。

「聡太郎ぉ〜…まだ怒ってる?」
「怒ってる」

帰り道、隣を歩くひかるが機嫌を窺うように覗き込んでくる。

「だってさ、横を見たら暗闇の中に白く浮かぶ魅惑的な太ももがあるんだよ?そりゃ触るしか無くない…?」
「触ったのは太ももだけじゃないだろ!」

一番後ろの端の方の席だったのをいいことに、映画を見ている間中散々ちょっかいをかけられたのだ。何とか最後の展開まで見ることができたが、中途半端に快感を与えられたおかげでもやもやしたものがずっと渦巻いている。俺には怒る権利があるはずだ。

散々叱った後ふとひかるの顔を見ると、ツンと視線を逸らされた。何だその態度は。

「俺だって怒ってるんだけど!」
「はぁ?」
「俺じゃない男にパンツ見せたじゃん」
「俺が変態みたいな言い方するな。不可抗力だろ」
「聡太郎のパンツを見ていいのは俺だけなのにっ!」
「あんな小さい子相手に怒ってどうするんだよ…」
「歳とか関係ないし。とにかく俺以外の奴は聡太郎のこと見ちゃ駄目なの!女の子でも駄目!犬でも駄目!ぜぇーんぶ俺のなの!」

かぁ、と頬が熱くなる。どうしてこうも恥ずかしいことを大声で。

「…ばか」
「…」

赤くなった顔を見られまいと俯きながら呟くと、ひかるは突然歩くスピードを速めた。当然手を繋いでいた俺もそれに引っ張られる。

「な、なに…」

どんどんと人気の無い方向に行っている気が…まさか。

寂れた公園の公衆トイレの物陰まで来ると、案の定奴はこう言った。

「エッチしよう」
「は!?」
「聡太郎だって、さっき俺に散々弄られてもやもやしてるでしょ?発散したいでしょ?」
「う…」

それは、確かに、そうだけど。でも別に切羽詰っているわけではないし、帰った後一人で処理することも可能だ。

「俺がいるのにわざわざ一人でしなくたっていいじゃん!」
「こんな場所でする方がいやだ…っんぐ」
「大丈夫だよ。誰もこんなちっちゃな公園なんて来ないって」

じゃあどうして口を塞ぐんだ!

「念のため声は我慢してもらおうと思って」
「んん〜〜〜ッ!!」

俺の口を覆った方の手はそのままに、もう片方の手が服の下に入り込んでくる。指の腹で胸の突起を押し潰され、びくびくと身体が震えた。

「ちくびすごい勃ってるね。女の子の制服着て興奮しちゃった?」
「!!」

そんな訳あるか、と睨み付けてやるが、ひかるはただいつものようにへらりとした笑みを浮かべるだけだ。

「ん、んっ、ん…、ぅ」

爪の先が乳首の先端を緩く引っ掻く。小刻みに刺激され、段々と神経が敏感になっていくのが分かった。ぴりぴりとした疼きが下半身に集まっていく。やめろ。勃つな。こんな場所で勃たせたら最後、絶対に逃れられなくなる。

「我慢しなくていいのに…ちくび、気持ちいいでしょ」
「ぁ…っん、んん!!」

ぎゅう、と指と指の間に挟み込んで強く引っ張られた。急な刺激に驚いて目の前の身体に縋り付くと、今度は手の代わりに唇で口を塞がれる。

「ふ…っ、は、ぁっ…ん、んっ」
「…かわいい」

とろけそうなキスの合間にそう囁かれ、心臓が壊れそうなくらい脈打ち始めた。何度言われたって慣れない。かわいいだなんて、そんなこと。

「ほら、自分で捲って…そのまま持ってて。舐めてあげる」

指示されるがまま上の制服を捲り上げ、胸を露出させる。駄目なのに。どうして俺は、素直にこいつの言うことを聞いてしまうんだ。

「んはぁ…っ、あ…」

突起を口に含まれ、ちゅう、と甘く吸われた。声を漏らす俺を見上げ、ひかるが微笑む。

「そうちゃんのおっぱい、ちっさくてかわいいね」
「な、なに言って…」
「そんな恰好してると、ほんとに女の子みたい。すごく興奮する」
「ちが、女の子じゃ、ない…っ」
「そっか。女の子にはこれついてないもんね」
「あぁ…ッ!!」

脚の間に滑り込まされた膝が股間を押し上げた。必死の我慢もむなしく、そこは完全に勃ち上がっている。

「しー…、静かにしなきゃ、誰か来ちゃうかも」
「なら、やめ…」
「今更やめらんないでしょ」

スカートの裾から大きな手が入り込んできて、下着を太ももの途中まで擦りさげた。透明な液体が布に染みを作っているのが見えて赤面する。ふ、と笑われる気配がした。

「もうぬるぬる。…触っていい?」
「聞くな、ばか…っ」

その胸に顔を押し付ける。せめて視界に入らないようにしたい。こんな場所でこんなことをされて興奮している自分の姿など見たくない。

「あ、あっ、あっ…はぁ」

くちゅくちゅと何度か上下に扱かれたあと、濡れた指が後ろの孔の縁をなぞった。

「あんまり時間かけられないから…もうこっち弄るよ」
「ん…」
「痛かったら言って」

いい。もういいから、早くしろ。

小さく頷くと、すぐに指が挿入される。気持ちの良いポイントを集中的に責められ、ガクガクと膝が震えた。歯を食いしばって懸命に声をこらえる。

「ん゛っ、んん、ん…っ、んぅ、ふ…っ」
「中、びくびくしてる」
「ぁっ、あ、や、やだ、そこいやだぁぁっ」
「ん、もうちょっと我慢して」

内側を広げようとしているのか、ひかるの指がそこら中をぐりぐり押した。「挿入のために弄られている感」が一層増して、いやらしさと期待でぼたぼたと性器から先走りが垂れる。

「はぁ、あ、あっ、あぁっ、ひかる、ひか…っ」
「…聡太郎、ちんこすごいことなってるよ。ぐちゃぐちゃ」
「うるさ…いっ、んは、あっ、んん、あぁっ、も、早くしろぉ…!」
「もう平気?…大丈夫かな」
「へーき、へいきだから、早くぅ…っ」
「じゃあちょっと失礼して」
「え」

ひょいと抱き上げられたかと思うと、尻の間に昂りが押し付けられた。

「なに、おろせ、足つかない…っ」
「しっかり掴まっててね」
「待って、ひかる、待て」

待って。嘘だろ。このまま入れられたら。

「あぁぁぁぁ…ッ!!」

ずちゅううっと卑猥な音とともに一気に根元まで突き入れられる。いつもより慣らす時間が短かったので、苦しさが半端じゃない。だけどもうずっと疼き続けていた身体はそんな苦しさなど簡単に飛び越え、挿入の刺激だけで軽く絶頂を迎えてしまった。

「はぁぁっ、あっ、あっ…ぁ」
「っ聡太郎、軽くイっちゃった…?あぁもうすご、キッツ…」
「ばか、あほぉ…っ、待てって、言った…ぁ」
「おっと」

ずり落ちそうになる俺を、慌ててひかるの腕が抱き直す。

「ちゃんと掴まってないと制服汚れちゃうよ」
「外でなんか、するからだろぉ…っ」

ぐすぐす泣きながらしがみ付いた。女装をさせられ、映画館では悪戯され、挙句の果てによく分からない公園なんかで襲われて、もう踏んだり蹴ったりだ。

「ごめんね」
「んんっ」

ちゅ、と軽く口付けられる。こんなもので誤魔化されてやらないんだからな、と睨みつけてやった。

「いっぱい気持ちよくしてあげるから、機嫌直して?」
「あ…っ、や、やだ」

少しずつ律動が開始される。夕暮れ時の静かな公園には不釣り合いな水音が響き、羞恥心を掻きたてる。

「あっ、んあ、んんうっ、音、おと、やめ…ッ」
「仕方ない、でしょ。聡太郎が、ぬるぬるに濡らしてるん、だから」

うるさい。知らない。早く終わらせろ。

激しく腰を打ち付けられ、何度も何度も抉られた。足が地面についていないせいで、ひかるのモノが奥まで入り込んでくる。届いてはいけない場所を犯され、俺は涙を溢れさせながらぎゅうぎゅうとそれを締め付けた。

「ひ…っン、はぁっ、あ、あぁうっ、あう、あぁぁっ!」
「ちょっと、締め付けすぎ…いつもより感じてるの?外だから?」
「や、ちがぁ…っちがう、お前の、おっきいんだよ、ばか、ばかぁ…ッ」
「はーもうかわいすぎでしょ…ねぇ、もっと声出し…」
「絶対そこにいてよ!ちゃんと終わるまでいてね!」

すぐ傍で子どもの声がして、俺とひかるは同時にぴたりと動きを止める。

「一人で大丈夫なの?ママついて行こうか?」
「へーき!」

声の主は小さな女の子とその母親のようだった。この公衆トイレを使うために公園に入ってきたのだろう。映画館といい今といい、今日は子どもに何かと縁があるらしい。…決して良い縁ではないけれど。

「…」
「…」

じっと息を殺し、親子が去るのを待つ。

と、思ったら。

「んはぁ…ッ」

焦らすようにねっとりと抜かれ、再度奥まで貫かれる。思わず声が漏れてしまった。

――何考えてんだ、こいつ…っ!

信じられない。やめろ。馬鹿。焦ってひかるの顔を見上げると、悪そうな笑みを返される。

「ナカ、すごいんだもん。我慢できない」
「たかだか数分も待てないのかお前は…ぁっ」
「聡太郎が声出さなきゃバレないって」

ぐちゅんっ、とまた一突き。強い刺激に背中が弓なりに反った。すんでのところで声を抑えたものの、このままでは確実にイってしまう。

「んぐぅっ、ン、ん、ん…っん、ふ…」
「そうそう…そのまま、頑張って」

ふざけるな、と怒鳴ろうにも口を開くことができない。

「ママぁ、ちゃんといる?」
「いるわよ」
「なんか外で変な声するー」
「あら、猫でもいるのかしらねぇ…」

ぬち、ぬち、とゆるやかに中を掻き混ぜる音がやけに耳につく。堪え切れない嬌声が隙間から溢れだした。

気付かれてはいないだろうか。不安になればなるほどそれに比例して後ろが締め付けを増し、ひかるが甘く息を吐く。

「はぁ…ふふ、必死だね、そーちゃん…かわいい」
「んん、っ、ふ…ンん、ん」
「じゃあもうちょっと強くしても、平気かな…っ」
「ん゛んんぅ…ッ!!」

張りつめた先端が俺の感じるポイントを遠慮なくごりごりと押し潰していった。滑り落ちそうになって強く抱き着くと、ひかるの腹に性器が擦れてしまう。

むり、いく。そんなにされたら、いく。首を横に振って訴えかけるも、ひかるは腰の動きを止めてくれない。

「ひ…ッう、ぁ、やっ、ぁう…」
「ほら、声出ちゃってるよ。ちゃんとして」
「むり…むり、ぃく、いく、いっちゃう」
「こんなとこでいっちゃうの?エッチだね」
「やだ、やぁ…ッ、ひかる、塞いで、口、ちゅうして、ちゅう…!」

声が出てしまわないよう、懸命に請う。

「いいよ。こっち向いて」
「ん…っ」

優しく押し当てられた唇。その首に腕を回し、頭を掻き抱くようにして口付けた。激しく揺さぶられて漏れ出る喘ぎが、ひかるの喉の奥に消えていく。

「んぅ、ん、んっ、んふ、う…んっ」

だめ、イく。もう出る。

「んんん―――ッ!!」

そう思った瞬間、全身がビクビクと震えた。濡れそぼった性器が精を吐き出すのを感じ取る。

「ん…っ」

ひかるは小さく声をあげた後腰を何度か痙攣させ、ゆっくりそれを抜き取った。ようやく地に足をつけるが、最早まともに立っていられるわけもなくぐったりともたれかかる。

「疲れた?」
「当たり前、だろ…」
「ふふ、ごめんね」

そんな俺の身体をしっかり支えつつ、ひかるはテキパキと後処理を済ませていった。さすがにゴムはつけてくれていたらしい。こんなところで中出ししたら張り倒すけど。

「ごめ…シャツ…」

シャツを汚してしまったことに気がつき、ぼそりと呟く。

「あぁ、俺のシャツ?別に平気だよ。ブレザーの前留めたら見えないし」
「お姉さんの制服にかかんなくて良かった…」
「俺が責任もって洗うから大丈夫なのに」
「そういう問題じゃない…っていうかさっきの親子は…」
「聡太郎がイく前に帰っていったみたいだから安心して」

あぁ良かった。最後まで居られたら、さすがに誤魔化しきれなかった。

「気付かないほど気持ち良かった?」
「違う」
「そーちゃんって結構ギリギリなシチュエーションとか好きだよね」
「好きじゃない」
「うそ。いつもよりすごかったよ?」
「変態」
「あー、テスト頑張って良かった…幸せ」

こんなくだらないことのために頑張れるなら、普段からもっと勉強しろ。なんて言っても意味はないんだろう。分かってはいるが、そう思わずにはいられなかった。



次の日、いつものように登校してきた俺とひかるの姿を見て、クラスメイトが言った。

「あれ?守山彼女できたんじゃないの?なんで村上と登校してるんだよ。彼女と来いよ」
「え?俺?俺の彼女はここにいるけ…うっ」

とんでもないことを口走ろうとする奴の鳩尾に肘鉄を一発お見舞いし、無視して席に着く。

「あーもう。お前が変なこと言うから聡太郎怒っちゃっただろ。なんだよいきなり」

いや俺が怒ったのはひかるのせいなんだけど。

「とぼけんな。昨日すっげぇ可愛い子と一緒にいるとこ見たんだからな!」
「え?」
「ん?」
「昨日?」
「彼女だろ?正直に言えよ」

まさか。まさかまさかまさか。

「えぇと、それってショートカットの子?女の子にしてはちょっと身長高めの」
「そうそう。めっちゃくちゃ美少女。そういや身長高かったような…」

会話を続ける二人の方を見る。誤魔化せ!上手いこと言え!余計なことは言うな!だがそんな俺の願いもむなしく、奴は自慢げな表情を浮かべた。

「んー…まぁ、彼女っていうか…そうなるのかな?」

バカ!!何言ってんだ!!

「…もうヤった?」
「もちろんとっくに」
「もしかして昨日も」
「いやあ、すごかった…青姦で駅弁した」
「おま…っ!よく怒んないな彼女」
「そりゃ怒られるけど。でも何だかんだで最後はもっとってねだってくるんだよね。そこがほんっと可愛い」
「うわー腹立つわー。可愛くてエロいとか最高じゃん」
「でしょ?普段ツンツンしてんのにギャップすごいから。もうまじでやば…」

ようやく俺の視線に気がついたらしく口をつぐむひかる。ちょっと来い、と無言で手招きする。

「ちょ…ちょっとごめん、聡太郎が呼んでるから、この話はここまでに…」
「なんだよ。お前まじで村上にべったりだよなー」
「あ、あはは…」

――全く。怒られるのを分かってるくせに、毎回毎回学習しない奴。

「ごめんなさい。もう変なことさせません。余計なことも言いません」

しゅんと肩を落として俺に怒られているひかるは、まさに悪戯をして叱られた犬のようだった。でかい図体を小さく縮こまらせている姿がおかしくて、思わず笑ってしまう。

「お前ってほんとずるい」
「え?」

そんな姿見せられたら、何でも許してあげたくなるだろ。

end.




名無しさんリク「聡太郎が女装してラブラブデートしつつ、イタズラされてそのまま外で最後まで。後日友達に目撃されていたことがわかって怒られるひかる」でした!
ひかるがずっと前から願ってやまなかった青姦が今回ようやく実現しました。青姦シチュ大好きなんですが、いざ書くとなると難しいです。どの場所に設定すればいいんだ…?っていう…「いや公園の公衆トイレの陰とかどんなシチュだよ!!」と思われた方がいらしたら、あくまでもファンタジーだと大目に見てくだされば嬉しいです。
聡太郎は女装しても違和感なさそう。デート中、電車内ではひかるがいつも以上に鉄壁ガードを発揮してたと思います。
素敵なリクをありがとうございました!楽しんでいただけますように!

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