50万打フリリク企画 | ナノ


▼ これが俺の恋人です

「ち、千尋さん…それは、ちょっと無理、本当に無理」
「どうして?」
「だって、誰かに見られたらどうすんの!?」
「俺が誰かに携帯を覗かせるとでも?」

ひいい!千尋さん、目がマジだ。本気だ。

じりじりと距離を詰めてくる千尋さんと、必死に逃げ回る俺。彼の手にはスマートフォンが握られている。

こうなったのはほんの数分前の千尋さんの一言が原因だった。直人のやらしい写真が欲しい、などと突如訳の分からない要求をされたのである。

「なんでそんなの欲しがるんだよぉ…」
「あれ、明日から出張だって言わなかったかな」
「それは知ってる」
「寂しいんだよ、俺が」
「出張って言ったって、前みたいに一ヶ月とかじゃないじゃん!たった三日間!電話すればいいし!」
「電話じゃ直人の顔が見られない」
「じゃあ、じゃあ、普通に顔の写メでいいだろ!」
「駄目」
「あっ、やだ…」

いつの間にか壁際に追い込まれ、どこにも逃げ場がなくなってしまっていた。その隙をついて大きな手が服の裾から侵入してくる。思わず否定の言葉を口にすると、千尋さんの眉がぴくりと動いた。

「…今、やだって言った?俺のこと拒んだ?」
「ひっ、ちがくて、今のは…」
「直人」
「う…」

怖いくらいの完璧な笑顔で迫られ、言葉に詰まる。やばい。怒らせたか。

「い、いやじゃない、です…」
「へぇ。別に気を遣わなくていいよ」
「気なんか遣ってないっ」
「じゃあなんでやだって言ったの?」
「それは千尋さんが…」
「俺が?」

もぉぉぉ!だから!そういうのだって!

しどろもどろになる俺とは違い、千尋さんは余裕の表情だ。どうやら本気で怒っているわけではなく、単にこちらの反応を楽しんでいるだけらしい。

「直人」
「も…なに…」

彼の指が唇に触れた。ふにふにと感触を確かめるようになぞられる。

「ごめんなさいは?」

どうして俺が謝らなければならないのだ。頭の中では冷静にそう思っていても、口が勝手に動く。

「ご、めん…なさい」
「悪いと思ってるなら、俺の言うこと聞けるよね」

…くそう。結局こうなるんなら、最初から抵抗なんてするんじゃなかった。



「ん、はぁ…っ」

濡れたモノの先端を指先でなぞる。普段一人でしているときには漏れないような吐息が零れ落ち、自分が今この状況に興奮しているのが分かって悔しい。

「ふ、ぁ、あっ…」
「…」

千尋さんは何も言わない。下半身を弄り回す俺をじっと見つめているだけだ。だけど瞳の奥には確かに熱がこもっていて、それにまた煽られる。

「ん、ん、んんっ」

見られてる。こんなにいやらしいことをしている俺を。千尋さんに。ゾクゾクと全身に快感が走り、手の動きが激しくなった。

「は…ッあ…!!」

なんで俺、この人の言うこと聞いちゃうんだろう。恥ずかしくてたまらないのに、自慰なんて誰にも見られたくないのに、ものすごく気持ちいい。

「直人」
「ち、ひろさ…」
「直人、こっち向いて」

千尋さんがカメラをこちらに向ける。あ、いやだ。撮られる。撮られてしまう。

「んんぅっ、あ、や、やぁ…」
「本気で嫌じゃないでしょ。手動いてる」
「だって、だって千尋さんが」
「また俺のせい?」

ふっと笑われる気配がした。嫌だと言いつつも行為を止めない俺を、彼はどんなふうに思っているのだろう。呆れているのか、それとも面白がっているのか。どっちにしろ悪趣味だ。

「はぁっ、あ…ばか、もう、千尋さんのばか、ばか…っ」

ぐちゅぐちゅと水音を響かせてちんこを扱きながら、立てていた膝を閉じる。こんなとこ見られたくない。

「んぁぁっ、う、いや、なのにぃ…ッ、止まんな、あっあ、ん、んっ」

なんだか泣きそうだ。なんで俺、千尋さんの前でオナニーしてんの。馬鹿じゃねーの。

「…本当に可愛いね、直人は」
「んんっ、う」

言葉を発する前に唇を塞がれた。もちろん唇で、だ。ぬるぬると唾液を混ぜ合わせるように舌が絡んでくる。

「ふ…ッぁ、ん、んん、ちひろさ、ん…」

熱いのと気持ちいいのと恥ずかしいのとでぐちゃぐちゃになって、頭の中がとろけそう。そんな俺に千尋さんが低く囁く。

「そのまま擦って」
「う、ん…っ」
「あと」

強い力で片腕を掴まれ、びっくりして肩が跳ねた。

「な、なに?」
「こっちの手で後ろも弄ってくれたら、もっと嬉しいな」

はい?

一瞬思考が停止する。今、この人なんて言った?

「う、うううう後ろって…」
「いつも俺を受け入れてくれてるとこ」
「やだ!無理!」
「でも前だけじゃ足りないでしょ?」

足りなくなんかない、と否定すべきだったのに、ずばり図星を言い当てられて咄嗟に黙り込んでしまう。しまったと気がついたときにはもう遅い。

「早く」

――そんな目で見つめられて、そんな声で急かされて、逆らえるはずがない。

「う…」

左手は昂りを握ったまま、右手だけをさらに下へと伸ばす。下半身には何も纏っていないので、すぐに直接その場所へと指が触れた。

い、いつもは千尋さんがしてくれるし、自分で触ったこととかないし、めちゃくちゃ怖いんだけど。弄れってことは、俺のこの指をここに入れろってことで。

「ん、く…っ、ぁ、あ」

恐る恐る先端だけを潜り込ませる。

…う、やばい。違和感すごい。

「ひくひくしてるね。早く奥まで入れてあげないと可哀想だよ」
「や、や、見ないで、見ないで千尋さん…ッ」

恥ずかしい。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。全身が熱くて火が出そうだ。きつく目を閉じて顔を逸らす。自分の尻の穴に指入れてる男の姿なんか見て、千尋さんは一体何が楽しいんだ。

「見るよ。目を逸らしたら勿体ない。まばたきするのだって惜しい」
「そ、なの…っ千尋さ、くらいしか、思わない…」
「当たり前だ。俺以外の奴が直人のこんな姿見たら、きっと正気じゃいられない」
「あ、ぁ…な、何言って、んの…」

いつも彼がしてくれるように真似て指を動かしてみるも、全く気持ちよくなかった。奥まで届かないし、なんだかもどかしい。無意味な息だけが吐き出されていく。

「ん、んっ、あ、や…、いやだ…ぁ、これ、もう…」
「直人?」

ふるり、と内腿が震えた。違う。欲しかったのは、こんなものじゃない。

「…って」
「え?」
「千尋さんが、触って」

触ってほしい人が目の前にいるのに、我慢するなんて無理だ。

逸らしていた視線を戻し、真っ直ぐに彼を見つめる。お願い、千尋さん。触って。俺のこと触って。何度も何度も繰り返しそう呟いた。

「直人」

――あ、千尋さん、笑った。

さっきみたいに企んでいるような笑顔じゃなくて、無邪気な子どもみたいな笑顔だ。

「ごめんね。意地悪しすぎたかな」
「ん…」

軽く目元に口付けられて目を閉じると、いつの間にか溜まっていたらしい涙がその拍子にぼろりと零れ落ちる。

「たくさん触ってもいい?三日間分」
「いい、もう、好きにしていいから」
「そんなこと言って…知らないよ」

どさりと後ろに仰向けに寝かされた。そのすぐ後に孔に熱いモノが押し付けられ、俺はそっと彼の身体にしがみ付く。

「ん、ん゛―――…ッ」

狭い腸内を掻き分けて進んでくるそれ。ガクガク震えながら快感に耐えた。自分の指じゃ全然気持ちよくなかったのに、千尋さんにされてるってだけで全てに反応する。

じゅぶっじゅぶっずぷっ

「あっ、あぁっ、あぁぁっ、ひ…ッん、ん、あっ」

少しの間も置かず、激しく腰を叩きつけられた。触れ合っている場所が熱い。今にも溶け出してしまいそうだ。

「直人、直人」
「んぅっ、あっんん!千尋さ、んっ、溶ける、あついぃ…はぁぁっ!あっ!あ!」
「…どうして直人はそんなに可愛いの?どれだけ俺を煽ったら気が済むわけ?」
「か、かわいくな…ッああぁ!んふ、う…ひやぁぁっ、だめ、そこだめ」

先端がごりごりと無遠慮に内壁を擦る。その途端に射精感がこみ上げて来て、嫌だ駄目だと半ば叫びながら身を捩った。だけど千尋さんはピストンを止めてくれない。

「また嫌だって言った」
「ちが、ぁっ、ちがう、こわい、いく、いくからぁぁぁっ!!いくからいやぁぁっ!!」
「怖くないよ。いつもみたいにいっぱいイって」
「千尋さん、千尋さん、ちひろさ…っ、むり、もう出る、出るぅぅ――ッ」

びゅる、と白い液体がちんこから勢いよく吐き出される。自分の中が彼のモノをきつく食い締めるのが分かった。

「あ…っ、あ、はぁっ、はぁ…いっ…た、いった、千尋さん、俺」
「うん、俺も、イきそ…っ」
「んんん…っ!!」

目の前が真っ白になって、ビクビクと何度も腰が勝手に跳ねる。千尋さんは涙と涎でぐちゃぐちゃの俺を抱きしめ、そのまま奥深くで射精した。熱い液体が広がっていく感覚がまた気持ちいい。

「直人、愛してるよ」
「ん…」

絶頂の余韻でぐったりしている俺に、千尋さんはひたすら愛してるよと囁く。とてもキザだと思うけれど、彼が言うとなんだかサマになってしまうのだ。

「俺がいなくて寂しい?」
「…ちょっと」
「俺も寂しい。でもすぐ帰ってくるからね。帰ってきたらまた泊まりにおいで。迎えに行く」
「うん」
「直人」

ちゅ、と汗で湿る額に口付けが一つ。

あぁ俺ってめちゃくちゃ愛されてるなぁ。このままずっとくっついていたいなぁ。なんて、幸せな感覚に浸った。エッチが終わった後のこの時間が、俺は結構好きだったりする。

だけどふと気がついた。…なんか俺、ごまかされてないか?気のせいか?



「…」
「千尋さん、晩御飯どうす…ってなんだそれ!!」
「何って、さっきの動画」
「なんで動画なんだよ!写真じゃなかったわけ!?しかもなんでパソコン!?」
「写真じゃ直人の可愛い声が聞こえないでしょ。あ、音量上げる?」
「いい!いい!聞かせなくていいから!つーか消して!」
「駄目だよ。出張先のホテルでありがたく見させてもらうんだから。そのためにパソコンにデータ落としたんだし」
「さ、最悪だ!千尋さんのばか!」
「うん。直人のためなら馬鹿にだってなる」
「…」
「直人、可愛い。愛してる。また俺の前でああいうエッチなとこ見せてね」

絶対に嫌だ!

end.




ありささんリクで、「雨降って地固まるの二人の攻めの強引エッチ」でした。
強引エッチ…というか、強引に自慰をさせる攻めの話になりましたが、いかがでしょうか。
多分この後千尋は出張先のホテルでこのときの動画を鑑賞しながら、「本物の直人に触りたいなぁ…」と直人に電話をかけると思います。そしてそこからテレフォンセックスが始まると思います。

リクエストをありがとうございました!楽しんでいただけますように!

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