50万打フリリク企画 | ナノ


▼ ご褒美あげる

学校から帰ってきたら、何故か部屋にメイドがいた。

「…」

おかしい。絶対に夢だ。ただでさえ狂おしい程に可愛い兄さんにメイドなどというオプションがつくなんて、そんなの都合が良すぎる。きっと俺は今夢を見ているのだ。自分で自分の頬を抓る。うん痛い。

痛い、ということはこれは夢ではない。メイド服を着た兄さんは、確かに現実に存在している。

「ど、どうしたのその恰好」

恐る恐る尋ねてみると、兄さんは小さく首を傾げて言った。

「えぇと、ごほうび?」
「ご褒美?」
「この間の全国模試、校内一位だったみたいだから」
「それはそうだけど…」

何故メイド服を。

「皆こういうのが好きなんだろ」

フリルがたっぷりついたスカートの裾から細い太ももが見え隠れするのがいやらしくて、ごくりと唾を飲み込んだ。

「コスプレエッチ、とやらは男のロマンらしいからな」
「また変なサイト読んだでしょ…」
「嫌か?」
「むしろ真逆だよ」

肩にかけていた鞄を半ば放り投げるように置き、彼が座っていたベッドに膝をつく。

「可愛い。似合ってる」
「よかった」
「ありがたくご褒美いただこうかな」
「ん、どうぞ」

兄さんは瞳を閉じてこちらを向いた。所謂キス待ち顔と呼べるその表情に、内心悶絶する。あざとい。あざとすぎる。これが成人をすぎた男のやることか。だけどどうしたって可愛い。

「あ」

キスをしようと近づけた顔を手のひらで阻まれてしまった。おあずけをくらったような気分だ。

「これ」

彼の指が俺の下半身に触れる。今までほとんど人に触らせたことのない場所を撫でられ、ぞわりと全身が粟立った。

「ちょ…っ、兄さん、どこ触って」
「舐めさせてください」
「はい?」
「えぇと、ご褒美…じゃなくて、ご奉仕させて?」

絶句した。まさか兄さんの口からそんなお願いをされるとは。もしかしてこういう台詞もネットから覚えてきたんじゃ…。

「無理しなくていいから、兄さんは俺に全部任せてくれればそれで…」
「…お前、いっつもそう言う」
「え?」
「俺にされるのはそんなに嫌なのか」

兄さんは拗ねたような口調でそう言いながら、俺の方をじっと見つめる。その間もずっと下半身に手を置いたままだ。

「嫌、じゃないけど…」

俺も男だから、好きな人に自分のものをあれこれされるのは多分、いや絶対に興奮するし、気持ちいいだろうなとは思う。

だけど俺は「される」よりも「したい」という気持ちの方が強い。何よりもまず兄さんを優先したい。自分の全てをかけて尽くしたい。ただひたすらに愛を囁いて、甘やかして、どろどろになるまで溶かしたい。

兄さんにはどれだけ尽くしたって構わない。が、立場が逆となると話は別だ。この小さい口の中にいろいろ突っ込むのはなんというか罪悪感がある。

「ならいいだろ」
「でも」
「俺がしたいんだ」
「えぇ…」

煮え切らない態度にしびれを切らしたのか、兄さんは俺の返事を待たず今度は下半身に顔を埋めた。

「なぁ、隆幸…お願い」
「うっ…」

すり、とそこに頬擦りをされ、おまけに上目遣いとくればもう理性なんてぐらぐらだ。迷っている間に手早くズボンと下着を脱がされる。ちょっと待ってください。心の準備がまだできていません。

「兄さん、あの…そんなもの咥えたっておいしくないと思う…」
「おいしいとかおいしくないとかどうでもいい」
「いっ…!!」

両の手のひらで力いっぱい握られ、悲鳴をあげた。勃ちかけていたモノが萎えそうになる。

「ごめん。痛かったか。力加減がわからない」
「へ…へいき…でもちょっと緩めてくれると嬉しい…」
「…隆幸がいつも俺にしてくれるみたいなのを思い出せばいいんだよな」
「いや、そこまでしなくても…っ」

ぺろり、と赤い舌が恐る恐る先端を撫でていった。思わず息を詰める。

――まさか自分がフェラされる日が来るなんて。

「ん…ん、ん」
「に、兄さん、大丈夫?気持ち悪くない?」
「大丈夫」

俺は大丈夫じゃないけれど。

目の前には可愛いメイド服姿の兄さん。そして俺はそのメイドに「ご奉仕」などというありがちな名目の下、口淫をされている。興奮しないわけがない。

今までされるがままだった兄さんが自ら行動を起こすなんて、一体何があったんだろう。

好きだから触れたい。好きな相手を気持ちよくさせたい。そんな風に思ってくれたのなら、こんなに嬉しいことはない。

兄さんも俺を愛している。そう信じられるから。

「兄さん…」
「ん、んう、ふ…っん、んっ」

小さな唇で懸命にモノを咥えようとしている姿が愛おしい。手を伸ばして髪を撫でながら、じっとその様子を眺めた。

「兄さんのお口は小さいから、無理でしょ?入んないよ」
「…無理じゃない」
「でもさっきから先っぽ舐めてるだけじゃない」
「…」

彼の眉間に皺が寄る。怒った顔も可愛い…じゃなくて。

「っんん!」

大きく口を開けて咥えこまれた瞬間、軽く歯が触れた。強い刺激に思わず声を漏らすと、兄さんは誇らしげな目線でこちらを見上げてくる。

「はいっひゃ」
「…そうだね、入ったね」
「おっひい」
「…」

おっきい、などと破壊力抜群の台詞を吐かれてしまってはもうたまらない。

「兄さん、口離して」
「ひやら」
「お願い。俺、もう兄さんに入れたくて仕方ないんだ」
「…」

自分でも堪え性がないと思う。だがやっぱり、されるよりするほうがずっといい。俺がこんなに尽くしたいと思う相手なんて、世界中どこを探しても兄さん以外にありえない。

「兄さんは入れてほしくない?いつもみたいに気持ちいいとこを擦ってほしいでしょ?」

自分がそうされているところを想像したのか、彼の瞳に期待の色がありありと浮かんだのが分かった。

「ほら、口離して。こっちおいで」
「…ん」

小さく頷いた後、言われた通りに口を離す。濡れた唇とそれを繋ぐ唾液がいやらしくてドキドキして、細い身体をぎゅうと抱きしめた。

「可愛い兄さん。似合ってる」
「ちゃんと嬉しかった?」
「もちろん」

今度は俺がご奉仕する番だね、と囁いて手を服の中に差し込む。

「ん…隆幸、隆幸」
「なぁに、幸広」

甘い息を吐き擦り寄ってくる兄さんの姿に頬を緩ませながら、下着の上から後孔に指を這わせた。くちゅりと微かな水音が耳を掠めていく。

「…ちょっと待って」
「?」
「ど…どうして濡れてるの?」

まさかとうとう自分で濡れるようになったとか、そういうファンタジー的変化が彼の体に訪れているとでも言うのか。いやいやそれはありえない。いくらなんでも非現実的すぎる。俺としては大歓迎だけど。兄さんの身体を俺が作り変えてしまったなんて、最高じゃないか。

「…」
「兄さん?」

あれ?

「えっと…」

あれ、これは、もしかして。

「隆幸が帰ってくる前に」
「うん」
「自分で、した」

――あの兄さんが、照れている。

「自分でしたって?濡らすってこと?」
「…ん」
「どうやってしたの?」
「ローションと、指、使って」
「自分の指をおまんこに入れた?」
「い、れた」

…参ったなぁ。どうしよう。勝手に口元がにやけてしまう。

自分で自分のお尻を弄るのがいやらしくてたまらないとか、そんないやらしい彼をつくったのは俺だとか、それは当然そうだし勿論嬉しいんだけど。でもそれよりももっと嬉しいのは。

俺に喜んでほしいとか、俺を欲しがることが恥ずかしいだとか。この人の気持ちの奥底が全て俺に繋がっているという事実が、震えるほどの喜びを全身に走らせる。

あの兄さんが。一時は泣くことも笑うこともやめてしまった彼が。今、俺のために泣いて笑って恥ずかしがって、全身全霊で俺を求めてくれているのだ。こんな幸せなことなんてない。

「いい子だね」

頬を両手で包み込み、そのままキスをする。兄さんは喉の奥で小さく声を漏らしながらそれを受け止め、もっともっとと縋り付いてきた。夢中になっている間に下着をずらし、彼の身体を抱き上げる。

「ん、ん…ぅっ、あ、はぁ…んっ」
「…俺からもご褒美あげる。自分でお尻広げて」
「うん、ん…」
「いい?入れるよ?」
「いい、いい、入れて、お願い…っあ、あぁ―――ッ!!」

ぬるぬるになっている孔の中にゆっくりと自分のモノを潜り込ませていくと、ぶちゅぶちゅとローションの混ざる卑猥な音がした。一体どれだけの量を使ったんだ、と少し心配になる。また新しいのを買い足しておこう。

「うぁ、あ…っん、ん、隆幸、隆幸ぃ…ッ」
「ん…全部入ったよ。苦しくない?」
「ない…っ」
「可愛い、兄さん」
「あぁぁぁッ!」

ほんのちょっと身じろぎしただけでガクガクと震える身体。このまま欲望のままに揺さぶってしまいたいが、折角だから楽しませてもらおう。

「ほら、メイドさんは自分で動いて俺にご奉仕しないと」
「や、無理、無理…動けない…隆幸がしてぇ」
「…」
「おねがい、おねが…ッん、んふ、あ」

――と思ったが、前言撤回だ。

可愛すぎるおねだりを拒むことなど出来るはずもなく、ドサリとベッドの上に彼の身体を押し倒した。休む隙も与えず律動を開始させる。

「ひぁっ!あっ、あぁっん、んぅっ、ん゛ッ、あっ、や…っあ」

ぐちゅぐちゅと中を掻き混ぜながらスカートの裾を捲り上げていくと、日焼けなどとは一切無縁の白い脚が視界に映りこんだ。手のひらで太ももを撫で、汗で濡れた肌の感触を楽しむ。

「本当…やらしい格好だね、これ」

見下ろした彼の姿は、言葉では表わしきれないほど淫猥だ。白い肌、細い身体と少し長めの髪の毛と相まって、まるで本物の女の子を犯しているような気持ちになる。快感と興奮で息が荒くなった。

「あぁっ、う、ン…っ、やらしい、俺、やらしいからぁ…っ、あぁぁっ!あっ!んんぅっ!」
「幸広」

誰のせいでやらしいの、と耳元で尋ねた。勿論答えは一つしかない。

「隆幸ぃっ、隆幸のせい、たかゆきが、あッ、あ!!んぁっ、お、俺のこと、やらしくしたぁ…!!」
「そうだよ。全部俺が教えたんだ」
「あ―――ッ!あ――!!だ…ッ、め、そこいや、やぁぁっ!ひぁぁぁ!」

スカート越しにも分かるほどに勃ち上がっていた性器を強く握ってやれば、兄さんは悲鳴のような嬌声をあげて脚を突っ張らせる。そこは既に吐き出された液体でドロドロに蕩けていた。

「あぁ…ッ!あ、あっ、ん…っ、んぅ、はぁぁっ、たか、たかゆき、もう、でる、でる…もう…うぁぁぁッ!!」

湧き上がってくる強い快感から逃れようとしているのか、シーツをぐちゃぐちゃにかき乱して身を捩る。だが後ろは今にも精を搾り取らんとするように締め付けてくるのだ。

「やぁぁッ、あっ、ひぅぅっ、や、やっ、もう、もう突かないでぇぇ…ッ!!漏れる、出る…ぅああっん!!」
「ん、出していいよ…っ」
「イ…あぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

背中を弓なりに反らせてビクビクと全身を震わせたかと思うと、手に生ぬるい液体がかかる。言わずもがなそれは彼の精液だ。

「んぁっ、あっ、あっ…あぁ――ッ」
「俺も…っイくね」

未だ絶頂の波の中にいるらしい彼を抱きしめ、一層激しく腰を叩きつけた。熱く蠢く内壁に自身をひたすら擦りつける。

「あ…っ、出る、イく」

ぞわりとしたものが身体の奥底から湧き上がり、大量の精子が先端から飛び出していくのが分かった。

「はぁぁぁ…っ、ぁ、あっ、あっ、熱いぃ、お腹、あつい…」
「ん、ごめんね…スカート、汚れ…」

言い終わる前に唇を塞がれる。びっくりして動けない俺に構うことなく、兄さんは軽い口付けを何度か繰り返した。求められているようで嬉しいが、そんな風にされたら中に埋め込んだままのモノが再び熱を持ってしまいそうだ。

「ごしゅじんさま…」
「へ」

とろんとした瞳がこちらを見つめる。

…今、何て言った?

「ご主人様、もっと」
「え?え?兄さ…」
「もっとやらしいこと、してください」
「…」

え、ちょっと待って何その台詞。

「…俺、ご主人様なの?」

こくこくと頷く兄さん。

どうやら彼は、このプレイをいたく気に入ってしまったらしい。

「あっ、あぁっ、きもちい、隆幸ぃ…ッ、おしり、いいよぉ…っ」
「はぁ…っ、もう、兄さんの馬鹿…!!」
「うん、んんぅっ、俺ばかになってもいい…っ隆幸のためならばかになるぅ…」
「これ以上煽らないでってば本当に…」

――結局この後、様々な液体で汚れ、皺くちゃになったメイド服はゴミ箱行きになってしまった。

「洗濯すれば使えたかもしれないのに…」
「駄目。干してるところ母さんや父さんに見られたらどうするの」
「…そっか…」
「…」

残念そうな兄さんの顔を、俺はなんとも複雑な気持ちで眺めることしか出来なかったのである。

end.




名無しさんリク「隆幸へのご褒美に幸広が何かしようと思い、ネットで調べた方法で淫らに隆幸を誘う」、名無しさんリク「幸広のメイド姿が見たい」でした。お二方のリクエストを統合させていただきましたが、どうぞご了承ください。
どんどんエロに貪欲になっていく幸広とそれに翻弄される隆幸。最初は隆幸が何もかも教えてあげてたのにね。次はどんなことをさせようかな、と考えるのは結構楽しかったりします。
アイディアください。

素敵なリクエストをありがとうございました!楽しんでいただけますように!

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