▼ GOD
授業を終え、生徒たちを教室に帰した後。使った道具をきちんと片づけるため、一人で体育倉庫へ戻る。あーあーあいつら何適当に片づけてんだよ。ネットとかぐちゃぐちゃじゃん。もっとていねいにたためっつの。
心の中で文句を言いながら作業をしていると、ふとどこからか人の声がした。ん?まだ残ってる奴いんのか。早く帰んねーと次の授業間に合わないんじゃね。
「おい、もう教室戻れ…よ」
声のした方に顔を出して絶句する。
「きゃ…っ」
「あ?」
乱れた制服。半裸で抱き合う男と女。思わず目を背けてしまった。
「おおおおおおまえら、なにしてんだよ…っ!!」
何をしていたかなんて一目瞭然である。
こ、こんなとこでそんなやらしいこと、だめだろ。だめだ。これだから今時の若者は。乱れてやがる。
「何って、ナニだろ」
この声には聞き覚えがある。というか俺のクラスの生徒だ。
「ふっ、藤城!またお前か!」
「は?何顔赤くしてんの?気持ち悪いんだけど」
「いいから早く服を着ろっつの!ほら、そこの女子も!」
今なら他の先生には言わないでいてやるから、と二人に告げる。もちろん視線は逸らしたままだ。
「チッ…邪魔しやがって」
とりあえず女子を教室に戻す。そして当然のようにその後に続こうとする藤城の制服をぐっと掴んだ。
「おいコラ何戻ろうとしてんだ。てめーは残れ」
お前は今から説教タイムだ。
「うぜぇ。触んな」
「お前!!教師に向かって生意気な口きいてんじゃねぇ!!」
「もういいだろ。別に誰にも迷惑かけてねーし。ゴムつけてるし」
「俺が迷惑してるわ!!!」
ご…ゴムとか言うな!
「あーもううるせぇ」
ちゅ。
「〜〜〜ッ!?」
唇に柔い感触。こっ、これ、これ、これ、キキキキス…!?
「ぷはっ、何すんだいきなり!!!」
「あんたがぎゃーぎゃーうるさいから塞いだ」
「俺は男だぞっ」
「んなの見りゃ分かる。別にキスくらいどーってことねぇよ。男も女も変わんない」
くっ…完全に舐められてやがる。ギリギリと歯ぎしりをする俺を、藤城は鼻で笑った。
「あんた、童貞だろ」
「ど…っ」
「ほらそういう反応とか。もろ童貞くさい」
「馬鹿にすんな…!!」
ぐん、と視界が反転する。一瞬何が起こったのか分からなかった。
「…え?」
頭上には藤城の顔。後頭部が痛い。マットが敷いてあったことがせめてもの救いだ。
「じゃあ、確かめさせろよ」
「は?」
「俺さっきイけなかったんだけど。あんたのせいで」
「ちょっちょっちょ、なにして…」
カチャカチャとベルトを緩める音がする。
まさか、まさか、まさか…っ!
「生徒の不始末は、責任とって先生がやるもんだろ?」
「ひ…っ」
「な、九条先生?」
九条先生?
じゃねぇぇぇぇぇ!!
「ん、んむっ、やめ…ばかか!!そんなモン人の口に押し付けんな!!」
ぴとりと唇にイチモツをあてがわれ、俺は必死でもがいた。つーかなんでこいつこんな勃起してんだよ…!!
「おら、しゃぶれよ」
「はぁ!?てめっ、何ふざけたことぬか…んぐっ!!」
ぎゃああああああ!!
抵抗むなしく、口の中に思いっきり突っ込まれてしまった。
「んっ、ん、ぐ…んんんん!!!」
「へったくそ。やっぱ童貞だな」
いや童貞とか関係なく普通の男はフェラしたことねーから!!
「歯立てたら殺す」
「ふ…っう、う…!!」
いきなりの展開についていけない。ぐいぐい押し込まれるものだから、苦しさで涙が滲む。
押し退けようとしてみるが、手首を両手で掴まれているためそれも不可能だ。しかもこいつ力めっちゃ強い。化物かよ。
生理的な涙で瞳を潤ませた俺を、藤城が鼻で笑う。
「…あんた、泣いてんの」
「ん、っぐ、ふぁ…っん、んんん!!」
泣くに決まってんだろ!何が楽しくて男のチンコ舐めなきゃなんねーんだよ!くそ、くそくそくそ…ッ!こいつ、今度の三者面談んときボロカスに言ってやる!内申点下げまくってやる!俺はやるからな!
キッと涙目のまま奴の顔を睨み付ける。藤城は楽しそうな笑みを浮かべていた。いつもの不機嫌そうな顔はどこへやら、だ。
「ぶっさいくな泣き顔」
「んぅっ!?」
ちょっ…なにでっかくしてんだ!?言葉と反応が一致してねーだろ!!
いきなり質量を増したそれに呻くと、藤城がぐっと息を詰める。どうやら呻いたせいで喉が締まったのが良かったらしい。
「あー…ちょっと、いいかも、これ」
「ん゛ッ、ん…ふ、んくっ」
飲み込めない唾液が口の端から零れる。舌の上でほんのりと先走りの味がして、さらに顔をしかめた。うぇぇ、気持ち悪い。
「イくまでずっとこのままだから」
拷問か。
「おい、サボんな。舐めろ」
んなこと言われても、舐め方なんて分かるわけねーし。とにかく必死で口の中のモノに舌を這わせる。
「んぅっう、んんぁ、ん…!」
さっさとイかせて解放してもらうしかない。ええと、気持ちいいとこってどこだっけ。
いろんなところを舐め回しているうちに、次第にちゅくちゅくと湿っぽい音が響くようになった。耳を塞ぎたい。こんなの聞きたくない。
「…はぁ…」
「!!」
気持ちいいのか何なのかは分からないが、頭上で息を吐く藤城。普段の姿からは想像もできないようなエロい様子に、なんだか身体の奥がムズムズした。なんだこれ。なんだこれなんだこれ。
視線に気がついた藤城が、掠れた声で言う。
「…なに人の顔見てんだ」
そっと手が解放された。掴まれていたところがびりびりする。
「手、使え」
こんなのおかしい、と思うのに。俺の手は命令されるがまま、咥えているものへと伸びていった。
「ん…んっ、ん、ふ、ぁ」
両手で根元を包み込み、先端を軽く吸うように愛撫する。唾液と先走りで指がぐちゃぐちゃに濡れるが、もうそんなことは気にならなかった。
「…っ」
「んぁ…ッ!!」
ぬる、と湿った切っ先で頬の肉を擦られる。大きな声を上げてしまった。
「…チンコ突っ込まれて、感じてんじゃねぇよ…」
「ぁ、んん…っぐ、うう…」
「なぁ、あんた、俺のこと好きなわけ?」
好きじゃない。好きじゃない。こんな最低野郎を好きなわけがない。第一俺は教師だ。生徒にそんなやらしい感情を持ってはいけない。
じゅぷじゅぷと口の中を犯しながら、奴は俺の髪を撫でる。
「されたい、って顔してんぞ」
違う。違う違う違う。そんな顔してない。
「…俺のこと、ずっと見てただろ?」
「んんん…ッ!んっ、んっ、ぁ!」
「知ってんだぞ。こっちは」
――気付かれて、しまった。
ずっとずっとこんな風にされたかったこと。ずっと前から、俺がこいつを見ていたこと。
他の女とやっているところを見る度、もし自分が相手だったらどうなるんだろうと何度も考えた。自分が相手でも、藤城はあんなふうに触れてくれるのだろうかと。
分かっている。俺は教師失格だ。生徒に恋した挙句、このまま全てを預けたいとさえ思っている。
後から後から涙が溢れて止まらない。身体中が歓喜に打ち震えていた。一体いつから俺はこんなやらしい奴になってしまったんだろう。
「…いいよ。あんたが望むもん、くれてやる」
「ふ…っう、んん、はぁっ、あ、んん!」
「その代わり、俺の言うことなんでも聞けよ」
されたい。されたい。全部全部、この人のものにされたい。乱暴にされたって構わない。
夢中で頷くと、藤城は満足げに笑った。同時に口内に生暖かい液体が広がる。
「…俺のもんになれよ、九条先生」
*
「…っていう夢を見た!!」
「勝手に人を夢に登場させてんじゃねぇよ」
「高校生の先生ちょっと早漏だ…っいだだだだだ!!!」
「死ね、今すぐ死ね。屋上から飛び降りて死ね」
end.
*
アリさんリクで「生徒藤城×教師九条、性的お仕置き」でしたが、いかがでしたでしょうか。
九条は体育の先生です。生徒藤城は今よりちょっと幼い感じを出してみました。クソガキです。まだ子どもなのでちょっと甘いです。生意気な男の子はどうしても受けさせたくなるので、一瞬藤城を受けに回そうかと思いましたが、後が怖いのでやめました。
めちゃくちゃ楽しく書かせていただきました!リクエストありがとうございました!
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