▼ 07
濡れそぼった孔に先端をあてがい、ぐっと強く腰を突き出す。きつく窄まっているように見えたそこは器用に拡がり、ゆっくりと全体を飲み込んでいった。
「んん……〜〜〜っ」
九条はぶるぶる震えながら俺の腕を掴んでくる。
「あ、ご、ごめ……」
爪が皮膚に食い込んでくる痛みに顔を顰めた。それに気が付いたのか、掴んでいた手が慌てて離れていこうとする。
「いい。そのまま掴んでろ」
「でも」
「いいから」
九条は恐る恐るといった様子で再び腕を掴んできた。爪を食い込ませないようにという配慮だろう。今度は指の腹が皮膚に柔らかく沈み込んでくる。爪を立てられるよりも余程肉感的な感触に、思わず鳥肌が立った。
「……お前、わざとやってるんじゃないだろうな」
「なっ、にを……」
「わからないなら、いい……っ」
「あぁう……っ!」
ぱん、と肌のぶつかる音がする。汗で湿った互いの身体が、寸分の隙間もなくぴったりとくっついていた。
「はぁ……」
九条の口から吐息が漏れる。苦しいかと尋ねる俺に、小さく首を横に振ってみせた。
「平気」
そうだろうか。多少の苦しさはあるはずだ。別に急くことはないし、暫くこのままでいてやろう。誕生日サービス続行だ。
腰は動かさないままで身を屈め、額に口付ける。汗の味がした。
「……先生、でこちゅーすんの好きなの?」
「なんで」
「いや、なんかよくしてくるじゃん」
「なんとなく。お前のでこがキスしやすそうな形してるから」
「どんな形?」
「笑うな。響くだろ」
「はは!」
九条が楽しそうに声をあげて笑うので、挿入したものを通じて俺にまでその振動が伝わってくる。
「ん……っ」
仕返しとばかりに少し腰を引き、また奥まで差し入れてやった。途端に熱っぽい声があがる。ざまあみろ。ふんと鼻で笑うと、九条が熱っぽい声のまま小さく呟いた。
「……動いて」
――言われなくても。
そっちからねだってきたのだから、手加減はいらないだろう。両手で腰を掴み、最初から激しく打ち付ける。
「…っん、…ッ、ぁあっ…っ、っ、うぁん…ッ、ッ!!」
昂った性器を中に突き入れる度、ぶちゅぶちゅと隙間から先程のローションが押し出されてきた。
「あ゛っ、あ、はげし……っ、はげしぃっ、んぐっ、あ、あっ、あうっ、はぁっ、はぁ……ッ」
すぐにでもイきそうなのだろう。絡みつくような内側の蠕動につい舌打ちする。馬鹿野郎。そんなに締めるな。
先に達してしまうわけにはいかないので、角度を少し変え、とっととイかせてしまおうと切っ先で奴の弱いところを抉る。
「あ゛―――…っ、あっ、あぁっ、や、そこ、そこ、そこぉっ」
「ここが、なんだよ……っ」
とん、とん、とひたすら同じ場所を目指して突いていると、九条は泣きじゃくりながら身をくねらせた。押し出そうとせんばかりの締め付けに息が乱れる。
「いい…っ、いい、気持ちいっ、せんせぇ、もっとして、もっとぉ……ッ」
「もっと?」
片手を伸ばし、とろとろとひたすらに液を零し続けるペニスを握った。指の先を尿道に強く押し付ける。
「あ゛ぁあ……ッ、っ、あ、あっ、あ……〜〜〜ッ!!」
嬌声というよりは最早悲鳴のような声をあげ、九条は性器の先端からどろりと精液を吐き出した。
「ぁ…っ、あ、あ……」
その間も俺が腰の動きを止めないので、九条はびくびくと仰け反りながら断続的に吐精し続ける。
prev / next