▼ おまけ
ごくり、と唾液を飲み込む音がした。言わずもがなそれは俺のものなんだけど。目の前の光景が信じられないというか、どこか遠いものに感じられてしまうのだ。いやいやそんなのもったいない。しっかりと記憶に刻み付けておかなければ。
「ん…ッ、あっ、あぁっ、ふ…んんっ」
そ、聡太郎が…聡太郎が、パイズリしてくれてるんだから!
「ふ…おっぱい、きもちいの?」
「んんぅっ、あ、も…黙ってろ…うるさい…」
ベッドに座る俺の前に跪き、その白い胸を擦りつけるように愛撫してくれる。どうせまた脱ぐことになるのに、乾かしたばかりのシャツを羽織っているのがいい感じにまたエロい。しかも下半身はお互い何も履いていない。
まぁ…もちろん聡太郎に女の子みたいに柔らかいおっぱいがあるわけじゃないから、世間一般で言う厳密なパイズリではない。しかし俺にとってこれは何ものにも勝るパイズリであり、っていうかこれこそ真のパイズリじゃないかって感じで、つまり何が言いたいかっていうと。
神様ありがとう!!!俺生きてて良かった!!!
「ひ…ぁっ、ん、ん、う…ああっ!」
少し身体をずらしてわざと乳首に先端をあててみると、聡太郎はびくんっと大きく身体を震わせた。かわいい。超かわいい。
「やめ…っ、あ、だめ…そこ、いやだぁ…ッ」
「ちくび、こりこりしててすっごいきもちい…」
「あぁっん、これじゃ、これじゃ…ひぁっ!ん…っふ、ぁ」
イきそうなほどの強い快感じゃない。でもどうしようもなく気持ちがよくて、自然と声が掠れてしまう。
「これじゃ、なに…?」
「これじゃあ、俺ばっか…っ」
その言葉にさらに頬が緩むのが分かった。俺ばっか、の先は当然「気持ちいい」だろう。俺ばかりが気持ちいい。そんなことを言われて嬉しくないはずがない。
「聡太郎、俺のチンコで乳首弄って気持ちいいんだ」
「ん…っあ、うん、うん…ッいい、ちくび、きもちい」
「ふふ、えっちだね」
甘く微笑みながら、真っ赤になったその頬を撫でる。聡太郎は切なげに眉を寄せて俺を見上げた。
「なーに、その顔。かわいい」
「ひかるは、ひかるは…気持ちいい?」
「気持ちいいよ。分かるでしょ?こんなぬるぬるになってんの」
「んん…」
ぬる、と湿った先っぽを肌の上で滑らせると、今度はそれを胸ではなく口で咥えようとする。
「…口で、してくれるの?」
「んっ」
パイズリの次はフェラ…。聡太郎の無限の可能性にくらくらしそうだ。どこまでエロくなるんですか。回数を重ねる度にどんどんいやらしさが増しているような気がするんですが。
「ん、んぐ…ぁっ、ふ、う」
そして聡太郎は結構フェラがうまい。まさか経験があるのかと心配になって以前尋ねたところ、死ぬほど怒られた。ので、きっとこれは聡太郎自身の資質というか、テクニックなんだろう。
ぐちゅっぐちゅっちゅぷっ
「ん、んっん、んんぅ…んっあ、ん…」
「あ…っ、は…」
小さな口で懸命に俺のモノを舐めながら、咥えきれない根本の方は指で擦ってくれる。唾液と先走りで滑りがよくなり、ぐちゃぐちゃと音が響いた。
あー…いい。何がいいって、このそーちゃんのとろとろになった顔。普段が普段だけにギャップがすごい。やばい。そんなにうっとりしながらちんこなんか舐められたら、そりゃもうビッキビキのバッキバキになるって。
「ん…っそうたろ、こっち、見て」
「ふぁ、ん、ん…っ?」
こちらを見上げた聡太郎の前髪を指で流し、かわいい顔がよく見えるようにする。大きな瞳には涙が溜まっていて、今にも零れ落ちそうだ。
「うぁ…っ、ん、やば、もう出そ…」
「んんぅ、う…ふ、んん」
「あッ…ちょっ、まって、それ無しでしょ…ッく」
荒い息で訴えかけると、出せとばかりに一層強く吸い上げられた。射精感がこみ上げて来て腰がびくつく。慌てて引きはがした。
「ん…っう、な、なんで…」
「だめだって…これ以上は、ほんと出るから」
「…出していいのに…」
はい!殺し文句きました!そんなかわいいこと言ったら駄目だってばもう…!俺って結構理性強くない?普通の男だったらもうフェラでイっちゃってると思うんだけど。
でも俺はそこらの男とは違うからね!なんてったって聡太郎を愛してますから。
「…おいで」
「おいで、って…」
「ここ、俺のひざの上。一緒にイこ?」
ぽんぽん、と脚を叩いて両手を広げる。すっかりエロスイッチが入ってしまっているらしい聡太郎は、素直に向き合ったまま跨ってくれた。そのまま抱きしめて舌を絡めたキスをする。
「ん…ッ、んぁ、ふ…」
「んん…そうたろ、このまま擦り合いっこと、ここ使うの…どっちがいい?」
アナルの淵に指を這わせて囁いた。勿論聞かなくとも答えは分かっている。
「そこ、そこ…っ使って、ほしい」
「でも下に姉ちゃんいるよ?声抑えらんないでしょ?聡太郎の声、他の人に聞かれんの嫌だよ俺」
ぎゅう、と聡太郎がしがみついてきた。
「ひかる…っ、おねがい、頑張るから」
「頑張る?」
「声、出さないように、頑張るから…」
入れて。
「…」
あ、鼻血でそ…。
フェロモンたっぷりの上目遣いでおねだりされ、思わず悶絶してしまった。はぁぁぁぁ…!死ぬ…!チンコも心臓も痛いよう…!
「そんなに俺としたいの?」
「し、したい…」
「聡太郎のえっち」
「…」
笑いながらそう言うと、みるみるうちに聡太郎の目に涙がたまっていく。どうやら虐めすぎたようだ。
「ごっ、ごめんごめん…!泣かないで!俺が悪かったです!聡太郎はえっちじゃないもんね、俺のこと好きなだけだもんね」
こくり、と頷く。
好きって!聡太郎が俺のこと好きって!好きだからエッチしたいって!
にやけそうになる口元を必死に引き締め、細い腰を手のひらで撫でた。
「…腰、浮かして。自分で入れられる?」
「ん…」
聡太郎が俺の肩を掴み、ソレを後ろにあてがう。先程のお風呂でほぐしておいたこともあって、そこはずぷずぷと抵抗なく俺のモノを飲み込んでくれた。
「ん…ん、んっ、んっ…う、はぁ…ッ」
「ん、上手…すぐイきそ…」
熱くて湿った内側が不規則に動いて、とんでもない快感が押し寄せてくる。馴染ませるように腰を軽く揺すれば、聡太郎は耐え切れないとばかりに息を吐いた。
「ひかる…っ、ひか、るぅ…」
「んん?なーに?」
「だめ、うごかない、で…ッや、ぁ」
いっちゃう、と途切れ途切れな声がする。
「だめだよ。もう我慢できない」
「あぁぁ…ッ!」
下から強く突き上げると同時に、目の前にあった乳首を唇で食んだ。途端にきゅうっとナカが締まる。
「そーたろ、声、我慢して…ってば」
「や…っあ、んぐっ、んっんんん…っん〜〜〜〜ッ!!」
片手で自らの口を覆い隠し、懸命に声を抑える聡太郎。ぶんぶんと首を横に振って、涙目でこちらを見る。やめろと言いたいのだろう。でもその顔は逆効果だ。
興奮した俺は、限界まで張りつめた性器でごしごしと聡太郎の好きなところを擦った。膝の上の身体が小刻みに跳ねて、真っ赤になった乳首が差し出される。またそれを噛んだ。先っちょの部分に歯を食い込ませる。
「んは…ッあ、んっんん…んぅ…ふ、ん!んんん!ん゛――ッ!」
びゅる、と精液が噴き出した。俺のではない。聡太郎のだ。
「やっば…ッ、は、んっ、ん」
乳首噛まれてイくなんて、ほんとやばい。
「ん゛っ、んんっん、んんうっ、んは、ぁっ、ん、んっ」
「中すごいとろとろ…っね、イってい?俺もイっていい?」
「んっん、ん、うん、ん、ぁ、ひかる、ん、ふ…!」
達した直後の敏感な内壁を抉られて辛いのか、とうとう泣き出してしまう聡太郎。それなのに、余裕なくピストンを繰り返す俺をぎゅうっと抱きしめてくれた。
あぁ、もう、好きだ。それ以外考えられない。
「…あっ、イく…ん、んっぁ…!」
同じように強く強く抱きしめ返した瞬間、大きな熱がはじけとんだ。尿道口を勢いよく駆け抜けていく精液。
「ひ…ッあ…」
その精液の感覚に浸っているのか、聡太郎は俺を抱きしめたまま小さな悲鳴のような声をあげる。かわいい…じゃなくて。
先程お風呂に入ったのが台無しだ。お互い汗ばんでいるし、何より思いっきり中に出してしまった。
「ごめ、聡太郎…平気…?」
「…ん…」
我に返って焦る俺に、くたりと脱力して寄りかかってくる。
「きもち、かった…」
「!!!!」
ぶっほぉぉぉぉぉ!!なんですとぉぉぉぉ!?
「ほ、ほんと?よかった?」
「うん…ひかるは…?」
「すっっっっっごいよかった!!天国かと思った!!」
「はは」
えっ…なに。なんでうちのそうちゃんこんな機嫌いいの。っていうかそんなこと言われたらまたちんこ勃つんですけど…。
「嬉しかったから、ご褒美」
「へ?」
「分かんないならいい」
「えっなになに?何の話?」
「何でもない」
聡太郎の言うご褒美の理由が、先ほどの俺のお風呂での言葉だったと気づくのは、それからすぐの話。
姉ちゃんにしっかり気付かれていたと分かって(結局あんなに声を出していたのだから当然だ)、聡太郎が落ち込むのもそれからすぐの話。
ちなみに、聡太郎が刻んだであろう首元の所有印に気がついてにやにやするのは、次の日の話。
end.
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