▼ 04
「ま、でも…そんなに嫌なら」
「あッ!?」
いきなり立ち上がって、湯船の外のスペースに移動するひふみ。もちろん繋がったままなので、必然的に俺も同じ行動をとらされる。
「そこの壁、手ついて」
「ん、んん…こ、こう?」
目の前のタイルの壁に手を置くと、自然と尻を突き出すような格好になってしまった。
「そう。じゃ、動くね」
「えっ待っ…はぁぁぁっ!」
手加減なしに突き上げてくる。穴の隙間からお湯が零れ出て、内ももを伝っていった。
「ひぃっ、あ、で、出てるぅっ、んん…!」
ぽたぽたと床に垂れるのはお湯だけではない。先程イったばかりであるというのに、再びガチガチになっている俺のチンコからも、精液なのか我慢汁なのかよく分からない液体が漏れだしている。
「あー、やっぱ水の中だと動きにくいし、こっちのが、いい…なっ」
「やぁぁっ!ぐちゅぐちゅしないでぇぇっ」
「は…えろ」
ひふみが腰を打ち付けるたびに、ぐちゅうううっと淫猥な音がして、それが自分の尻から聞こえていると思うと気が狂いそうになった。
熱い。気持ちいい。突っ張っていた手の力が抜け、もはや身体ごと壁にもたれかかっている。そんな俺の背中を這いまわる濡れた感触。
「ん、汗の、味がする」
「ひあぁぁ!な、なめ…っ!?」
汗とか、汚い、のに。
「くぁ、ちょ、ばかっ、ちょっとはゆるめろ!」
「むり、むりぃぃっ、わかんなぁぁぁっ」
チッと軽く舌打ちをし、ひふみが腰を両手で掴んだ。かと思うと一層激しくなる抽挿。
ぐじゅっぐじゅっ。ごりりりりっ。ずぷずぷ。
「あ゛ァァァっ!?」
「…ッん、もう、いく」
「ひうっ、あっぁっあっ、そこぉっ、そこしぬぅぅぅぅっ!あぁ、ひゃぁぁっ、やら、やら、ひふみぃっ」
ぐぐっとその身体が前に倒され、ぴったり触れ合う奴の胸と俺の背中の肌。耳元で聞こえるのは、吐息混じりの声。
「みずき…っ」
「いっ、はぁぁぁぁん!」
名前を呼ばれたその瞬間、穴の中に熱いものがぶちまけられた。同時にびゅるびゅると二度目の精液を吐き出す。
「はぁ、はぁ…」
勢いが良すぎて、床だけじゃなくて壁まで汚してしまった。怒られるかな。あぁでも気持ちいい。チンコを軽く握ったまま、しばらくその快楽の余韻に浸る。
ひふみも力なくゆるゆると穴の中を掻き回しつつ、絶頂を味わっているようだった。小刻みに身体が揺れる。
「あー…汗かいた」
汗を流すために入った風呂で、また汗をかく。…俺たちって、すげー馬鹿じゃね。
*
「涼しーっ!」
パンツ姿でクーラーの前に仁王立ちになり、火照った体を風に晒す。やっぱ風呂上がりの部屋はこうでなくっちゃな!
「風邪ひくから服着ろ。あとこっち来い。髪乾かしてやるから」
「うっせーな。後で良いって」
「言うこと聞かない奴にはまたちんこ突っ込んでやってもいいんだけど」
すぐにTシャツを着てひふみの前に座った。
「てか寒い。設定温度何度にしたわけ?」
「21度」
「全くもってエコじゃないな。28度にしろ」
「やだよ!」
28度とかクーラーの意味ないだろ。
「俺こんなキンキンに冷えてたら眠れない。寒すぎて」
「よく言うよ…」
「なにが」
どうせぴったりくっついて寝るから、寒くなんかないくせに。ドライヤーの音でかき消されそうな呟き声も、奴にはしっかり届いていたらしい。
そうだなと嬉しそうな答えが返ってきて、俺は予想が当たったことに小さく微笑んだのだった。
end.
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