シック・ラバー | ナノ


▼ 03

「はぁぁっ、うンっんっ」
「暴れるな」
「わかってる、くせにぃ…ッ」

振り返って奴の顔を睨む。暴れてるんじゃない。勝手に身体が震えるんだ。

「…煽ってんの?」
「ひっ」

ぽたり、とひふみの髪から雫が滴った。その奥の瞳に熱がこもるのが読み取れる。…やばい。こいつがこういう顔をするときは…そう、逃げなくては。慌てて顔を戻そうとするがもう遅い。

「んぐっ、ふ、んんんん!」

荒っぽく口付けられた。後頭部をがっちりとホールドされて動けない。

「んっんん!ん、やめ、ンンッ」

首が痛い。無理な体勢が苦しい。開いた口の隙間から抗議の声をあげるものの、こいつが聞き入れてくれるはずもなく。

「ん゛ーーっ!?」

それまでチンコを弄っていた指が、突如として後ろの穴に入り込んだ。

「んんっ、んーっ!んんん!」

てんめぇぇぇ!!いきなり突っ込むとか頭湧いてんのか!?

しかし悲しいかな、俺のそこはしっかりと快楽を覚えこんでしまっているのである。ぐにぐにと割り開かれる感触に、バスタブのフチを掴んでいる手に一層力がこもる。

ようやく唇を解放されたときには、すでにいつでもイける状態になってしまっていた。

「んぁっ、あぁぁっ、あっあっ、あうっ」
「その声どっから出してんだよ」
「知るかっん、あ、いやぁぁっ、お湯、お湯がァァ!」

指をナカで広げられたせいで温かい液体が侵入してくる。腸を満たす異物感に、頭を振り乱して叫んだ。

「イきそ?」
「ひぃあぁぁぁ!やだぁっ!やだやだ!」

違う。俺はこんなことでイきたくなんかない。絶対に嫌だ。

嫌だって、言ってるのに。

じゅぶじゅぶ激しく穴を掻き回され、全身が引きつる。あぁ、やだ、いく。いく。

まさに達するという瞬間、ひふみはその指を抜いた。

「あ、ぅ、う」

快楽の波から放り出され、情けない声をあげる俺。ヒクヒクと物足りなさを訴えかける尻の穴。

「嫌なんだろ?」
「ひ…どい」

くそ。くそ。どこまで人をからかえば気が済むんだ。ふざけんな。辛すぎて泣けてきたわ。

ぐすぐす鼻を啜りながら、憎き鬼畜野郎の腕を抓る。痛いと怒られたが、怒りたいのはこっちの方だ。ひどい。ひどい。しね。ほんとしねよ。

「お前…毎回泣くよな」
「うっるさい!だれのせいだ!」
「俺に泣かされてる瑞貴、すげーそそる」
「頼むからもうお前しゃべんな…っひ、ん」

割れ目の間にそそり勃ったモノを押し付けられた。期待して収縮する内壁。びくんと背中がしなる。

「あ、やだ、お湯、入るから…外で、外で」
「大丈夫大丈夫」

何が大丈夫なのかさっぱり分からない。

「お望み通り、イかせてあげる」
「あ゛ぁぁぁっ!」

じゅぽんっ!!

一気に塊が押し入ってきた。大きく揺れる水面。響く俺の悲鳴。

「ほら、イけた」

お湯の中に広がっていく白濁。散々焦らされたせいか、入れられただけで達してしまった。ぎゅうぎゅうとひふみのちんこを締め付けているのが分かる。耐えるような吐息が首にかかった。

「…あっつ…」
「ふぁ、あ、あ、あ…」

も、やだ。挿入だけでイくとか、ありえない。恥だ。

「っこんなに締め付けてたら、お湯なんか入ってこねーよ」
「んんっ、あ、ばかぁっ」

そういう問題じゃないわ!

prev / next

[ topmokuji ]



「#寸止め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -