シック・ラバー | ナノ


▼ 05

ひふみは俺のことをずっと好きだったと言うけど、期間はひふみの方が長いかもしれないけど、でも気持ちの大きさは絶対俺の方が勝ってる。

「うぐっ、すき、すき、すきィ、ん、ン、ん」

狂ったように好きだ好きだと繰り返した。一階にいる家族に聞こえないような、でもひふみにはしっかりと聞こえるような、そんな声で。

「あ、あぁう、う、あ、ん」

好きだよ、ひふみ。

もちろん昔からお前のことは大切だったけど、今はもっと特別。お前はもう幼馴染じゃない。お前は、お前は、

「おれの、おれのひふみ、ひ、ぁ」

誰にもやらない。この人を自由になんかしてやらない。一生、死ぬまで俺のことだけ見てたらいい。

「っ、なんなんだよお前は」
「ひ、ィ、あ、…ッあぁ」
「そんなに俺のことが好きか…ッ」
「ん、ん、すき、だいすきぃ」
「…ま、言われなくても、俺は、俺の身体は…とっくに全部、瑞貴のだけど…んっ」

ここに入ってる、これも。

そう言いながら、ぐちゅりと奥の前立腺を亀頭で抉る。目の前が白くスパークして、声にならない悲鳴に喉を反らした。

「俺の、心も、全部全部、瑞貴にあげる」
「…っあ、うれし、んんんッ、ふぁ、あ」
「ふ、く、ぁ…キツ、痛いって…」

う、あ、俺、俺今イってる。イってる。とろとろと力なく精液が押し出され、シーツを濡らし続けている。早ぇよ、と後ろで笑う声がした。

「ひ、ん…っだってぇ、あっ、止まんな、やだ」
「は…ァ、うぁ、中やばい…ッて、みずき」
「あ、う…おれ、イってる、イってるから、もっ、ゆっくり、ッ」
「むり、優しくしてやろうと、思ったのに、瑞貴がそんなかわいいこというから…っほら、俺の、分かるだろ?もう、出そう」

ひふみが腰を動かすたび、尻のあたりからぐぽぐぽと水音がする。分かってる。分かってる。あぁ、ひふみの、熱い。俺の中で、びくびくしてる。ちゃんと分かってるよ。

「…っあ、まじでイくから、ちょっと緩めろ」
「ん、ん、んんッ、だして、だして」
「今日は出さねえよ…っ中には」
「ああ、ん、なん、なんで…」
「一人で、…っふ、は、処理できんやろーがっ、お前は」

そうだった。自分で尻の中に指を突っ込んで、出されたものを掻き出す作業…そんなの怖くてできるはずがない。毎回毎回全てひふみがやってくれるから、別にする必要もなかったとも言えるが。

でも、今日は中に出してほしいのに。ひふみがイった証、俺の中に刻み付けてほしい。…いつから俺はこんな淫乱になってしまったんだろう。

「っ、あァ、出る、出る出る、瑞貴…ッ」
「ンぁッ」

ずるっとひふみが俺の中からそれを引き抜く。そのすぐ後に、尻たぶにびしゃびしゃと生ぬるい液体がかけられた。

「あー…えろ…」
「ひっ、さわ、さわんな…」
「…またイってんの?」

太ももに垂れていく精液にすら反応する俺の身体。そのままの体勢でしばらく止まらない絶頂に感じ入る。あ、あ、きもちい。きもちいいよ。

「おい、馬鹿。寝るな」

べっとべとの俺の尻をティッシュで拭ったかと思うと、そのまま後ろからぺしっと叩かれた。

「んぁ…?なに?」
「シーツぐっちょぐちょじゃねぇか…どうすんだよこれ」
「明日、…起きたら洗う」
「…あほ。こんなん他の人に見せられるわけないだろ」
「う…」

あ、そうだった。普通にいつもの感覚で言ってしまったけど、今俺たちは帰省中だったんだ。

「はー…おら、立て」

今からコインランドリー行くぞ。ひふみが手早く片づけを始める。面倒くさそうにしつつも何だかんだで服を着替えさせたり、汗を拭いてくれたりしてくれるところが結構好きだ。

だからわざと動けないフリをしているってことは、言わない。

prev / next

[ topmokuji ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -