エゴイスティックマスター | ナノ


▼ 04

朝早く、誰もいない彼の部屋。私の吐息と卑猥な水音が響きます。

「あぁっ、坊ちゃん、気持ちいいですっ!あう、うっ、んんっあっあっ!」
『お前の好きなところはここだろ?』

ぐり、と力強い指が先端の穴を押し潰し、背中を仰け反らせて喘ぎました。

「ふぁぁぁっ!だめ、そんなにされたら…ッい、いってしまいます…!」

坊ちゃんの声がよく聞こえるように、電話を持つ手に力を込めます。しかし聞こえたのはふうふうという荒い息。ちょっとうるさいと思いましたが、またすぐにこの淫らな行為に意識が戻っていきました。

「んくっ、あ、あぁぁっ、あっん、はぁ…ッあ、んんうぅっ」
『伊原…お尻をこちらに向けて』
「あ、あ、は…はい、こ、こうですか…」
『うん。じゃあ、指を濡らして…そう。ぐちゅぐちゅになったか?』
「ぐちゅぐちゅです…指、私の指、ぐちゅぐちゅです…」
『うぅっ、そうか、ぐちゅぐちゅか…可愛いなお前は。お尻はどうなってる?ヒクヒクしてないか?』
「坊ちゃん、あぁ、そんな…!ヒクヒクします、あっ、もう、もう、欲しい…!」
『いいぞ。俺ももうお前に入れたい。入れるからな』

自分の濡れた指を疼き続ける穴に添えます。彼のモノを想像して、ナカが収縮運動を始めるのが分かりました。

早く、早くその大きくて熱い楔で私を虐めてほしい。抉って、擦って、どろどろにして欲しい。はぁはぁと腰をくねらせながら、私は言います。

「坊ちゃん、入れて、あぁ、入れて…!エッチでどうしようもないこの私を…ぐちゃぐちゃにしてください…!」
『伊原…ッ!』
「ひあぁぁぁぁっ!」

ぐぷ、と狭い襞を掻き分けて入り込んでくる塊。脚をシーツの上でぴんと張って、必死でその衝撃に耐えました。私の目の前には、いつの間にか坊ちゃんがいます。

汗をかいて、眉をひそめて、私の名前を呼ぶ坊ちゃん。私が好きでたまらないと言う坊ちゃん。あんまりにも美しくて愛おしくて、きっと一生彼の虜です。

『あぁ、伊原…そんなに締め付けたら、すぐにイってしまう』
「だって、だって、ずっと欲しかったんです」
『僕もお前が欲しいよ。お前がいれば他に何もいらないよ』
「坊ちゃん、坊ちゃん」
『うん?』
「愛しています。早く帰って来てください。このままじゃさみしくて死んでしまいそうです」
『くっ…!何の拷問だそれは!あぁ早く帰りたい!お前を愛でたい!』
「愛でてください…」

不思議なことに、すらすらと素直な言葉が口から飛び出していきます。こんなことは今までありませんでした。もしかしたら私は、自分で思うよりもずっと坊ちゃんのことが。

『動いていいか?』
「あっ、ん、はい…」
『中、擦って…入口の浅いところから、奥までゆっくり…』

言われた通りに指を動かします。全身が快感で埋め尽くされ、待ちわびた穴への刺激に震えました。

「あぁぁっ、う、んんんっ、はぁ、はぁぁ、んっ」
『濡れ濡れだな、伊原』
「やぁっん!坊ちゃん、坊ちゃん…ッあぁ!」
『もっと大きな声を出して。僕の名前を呼んで』
「んんん…!のっ、のぞむさま、のぞむさま、んっあぁ、いい、うっあ、ん」

シーツに顔を埋め、彼の匂いを堪能します。興奮のせいでカチカチと歯が鳴り、目には涙が滲みました。

耳には同じように熱い吐息が響きます。くちくちという音は最早どちらのものか分かりません。

『伊原、伊原っ、もう、もういくぞ!』
「はい、はいぃっ、あぁっんっんっうぁ!私も、いく、いきますっ、ひ、うぅっ」

前立腺を押し潰しながら奥まで突かれ、きゅうっと腸壁が狭くなります。とろとろに蕩けた私の顔は、きっととてもはしたないことでしょう。誰にも見せられません。

…坊ちゃん以外には、一生見せられません。

『ああ…っ、いく…!』
「んんんんんぅぅぅ…っ!」

彼の達する声を聞いて、私も絶頂を迎えました。ガクガクと腰が跳ね、ベッドが軋みます。頭の中は真っ白です。

息を整えるためにしばらく黙ったまま寝転がっていました。そしてあることに気が付いて、慌てて電話を握りなおします。

「あのう…坊ちゃん…」
『なんだ…伊原…そんな可愛い声で』
「シーツを汚してしまいました…すみません」
『うんうん。別に構わないぞ。というか洗濯しないでとっておいてくれてもいいぞ。オカズにするから』
「変態じゃないですか!」
『うっ、やめろ…また勃ったらどうしてくれる…』
「今度はお一人で抜いてください」
『そんな!酷な!』

彼の怒る声を聞きながら、私は自分の心がぽわぽわと色づいていることを感じていました。何だか満たされているのです。初めて坊ちゃんをすごいと思いました。

そして、彼が帰ってきたらもう少し優しくしようと思いました。

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