小ネタ | ナノ

ADD



21st Jul 2020

小ネタ

ふと目を覚ますと、目の前には楽園が広がっていた。

いや、楽園っていうのはものの例えで、実際にそこにあったのは別のものなんだけど。

「……」

すうすうと寝息を立てている聡太郎。クーラーを付けずに寝たせいで暑かったのか、Tシャツがずり上がってしまっている。

そして楽園──白い肌と、可愛い可愛い乳首が丸見えだった。

据え膳食わぬは男の恥。

そんな言葉を思い浮かべつつ、欲望に負けた俺は、剥き出しになった背中に手のひらを回す。汗ばんだ皮膚がひたひたと指に吸い付いてきた。わぁえろぉい。

そして自分の顔に引き寄せるように少し力を込める。眼前に迫る桃色の乳首。

よし、いただきます。

肌に触れるだけのキスをして、すぐに足りなくなって、口の中に含む。柔らかいだけだったそれが、徐々にかたくなってきた。

芯を持ち始めた乳頭を、舌先でくにくにと押しつぶす。聡太郎の身体がびくっと一瞬跳ねた。

……起きた、かな?

恐る恐る唇を離して、顔を見上げる。少ししかめっ面をしているが、起きている様子はない。危ない危ない。

再び胸に顔を埋め、乳首いじりに専念する。

口の中に入れて、ちゅぷちゅぷと舌で舐めしゃぶる。もう片方は可哀想だけど後回し。両方に刺激を与えてしまうと、起きてしまうかもしれない。もう少しだけこうしていたい。

いや、やっぱり起きてほしい。

きっとあの可愛い顔を真っ赤にして、恥ずかしさで泣きそうになりながら怒るんだ。想像だけでもう可愛い。

「ぁ……」

もぞ、と聡太郎の爪先がシーツを掻いた。

少し開かれた唇から小さく浅い吐息が零れ落ちる。あああ超キスしたい。でも我慢。

代わりといってはなんだけど、今度は反対側の乳首にキスをした。そしてまた同じように愛撫する。

「……ッ、ん……」

ちゅーっと少し強めに吸い上げると、ピンク色が更に濃く紅い色になった。心なしか身体全体もほんのりと桃色に染まっている気がする。

「はぁ……」

興奮のあまり俺の口からも息が漏れた。くっそ。ちんこ痛い。

「ぁ……ッ」

唾液でべとべとになったそこに、軽く歯を立てる。聡太郎が先ほどよりもさらに大きく身体を跳ねさせたせいで、互いの腰がぶつかった。

ごり、と硬いもの同士が擦れ合う。

──ですよねー。

「……」

そうちゃんも勃起してますよねー。おっぱい虐められるの大好きだもんねー。

「……う……?」

くしゃ、と聡太郎の指が俺の髪を掴む。

薄らと開いた瞳が、胸元で蠢く俺の姿を捉えた。

怒られるだろうなぁ、と思いながらも胸を弄るのは止めない。

「……」
「……」
「……おはよ」

語尾にハートマークがつきそうなくらい可愛こぶって上目遣いをしてみたが、次の瞬間ものすごい力で髪を引っ張られた。

「いででででで!!!そーちゃん!!ハゲる!!頭皮ごと持ってかれるう!!」
「ひ……っ、人が寝てるときに、お前は……っ!!」
「俺は悪くないよ!!だって目の前に乳首あったら普通吸うじゃん!!」
「吸わない!!」
「吸う!!」
「吸わない!!」
「あ……っ、俺のちくびが……!!」
「ひかるのじゃなくて俺の!!」

聡太郎がシャツを引っ張り、剥き出しだった胸を隠す。

「違うよ。聡太郎より俺の方が可愛がってるから俺のだよ。見せて」
「いやだ……っ」
「まだ途中だよ!?可哀想だと思わない!?あんなに真っ赤になって震えてるちくびちゃんが俺を呼ん……」
「変なこと言うな!!」

予想通り、というか。聡太郎は烈火のごとく怒っている。

怒っているのは恥ずかしいのを隠したいからだ。胸で感じまくっている自分の姿は、聡太郎自身にとっては未だに見るに堪えないものらしい。

俺はちっとも気にしないし、むしろ可愛すぎてやばい。あと嬉しいし、何回も見てるし、可愛いし……エトセトラエトセトラ。

「……んで」
「え?」
「……なんで起きてるときにしないんだ」
「えっ」

なんて?

「起きてるときにしてほしいの?」
「……」
「聡太郎、こっち向いて」

そっぽを向く顔を両手で掴んで、無理やりこっちを向かせた。

「仲直りのちゅー」
「……そもそも喧嘩してないだろ」
「じゃ仲直りのべろちゅー」

口を塞いで、舌を絡めたキスをする。柔らかくて熱い。濡れた唇の感触に脳の芯がビリビリする。

「ん、ぁ……っ」

深い口付けを交わしながら、両手の指をすっと胸に移動させた。シャツ越しに親指でぐりぐりと先端を捏ねると、聡太郎が悲鳴のような声を上げる。

「可愛いね」
「も、やめ……」
「やめないよ」
「……」
「起きてるときにしてほしいんでしょ?」
「……」
「もー、だんまりしないで」

聡太郎はキッと鋭い目で睨んできたかと思うと、少し身体を起こして頬にキスをくれた。

ふに、と柔らかい唇が触れる感触に、ぞわぞわしたものが背中を駆け抜けていく。

だめだめ。無理無理。こんなの我慢しろって方がおかしい。

「そんな可愛いことして、離してもらえるなんて思ってないよね?」
「……」
「そーちゃん、なんか言って」
「……」
「ん?」
「……こ、これ」

これとはすなわち、俺の勃起しまくったちんこである。

「これ、弄んなくて、いい?」

消え入りそうな声で言われたときの俺の興奮は、もう言葉で言い尽くせない。

「……いいように見える?」
「……そんなのわかるか」

わからなくていいけども。

「いいわけないでしょ。中入れてぐちゃぐちゃに擦りたいよ。今すぐしたいよ」

頭を抱えて悶える俺に、聡太郎はツンと拗ねたみたいな顔で畳み掛ける。

「……スケベ」

表情とは裏腹に拗ねてなんかない声色。俺の口元がだらしなく緩む。

スケベて!!!スケベって!!!何!?エロ!!!

「……スケベでごめんね?」

聡太郎が俺の下半身に顔を埋める。小さな口を大きく開けて、それを飲み込むさまを上から眺める。

「ん、ぐ……っ、ちょ、縮めろ」
「無茶言わないでよ」

スケベですから。

BACK


PREVNEXT
TOP