ただのエロ
 



虎徹がブロンズのあまりお上品でない繁華街の一角に怪しい人影を見つけたのは、日もとっぷりと暮れた夜十時頃のことだった。スカイハイじゃあるまいし、何もわざわざパトロールをしていたわけではない。ぷらりと飲みに出て自宅へと帰るその途中、あまりに不審な動きをする青年を見かけたのだ。アルコールが入っているとは言え、十年来のヒーローである虎徹は不審な人物が視界に入れば自然と目で追ってしまう。相棒が隣にいればそれは越権行為ですだのと制止がかかりそうなものだが、犯罪を未然に防ぐことができるなら行動しておくべきだろうと虎徹は思っている。だから、うっかり声を掛けてしまったのは最早習慣のようなものだった。
「よう」
「!!」
「えっと、何してんの、こんなところで」
 青年はびくりと肩を揺らし、可哀想なくらいに動揺をあらわにしてそうっと顔を上げた。アッシュブラウンの髪の毛を帽子から覗かせ、手には大事そうに紙袋を抱えている。サングラス越しに目を合わせた瞬間、石のように硬直してしまう。眩しいほど白い首筋にびっしょりと汗をかいて、やけに艶めかしかった。そう、それはまるで、どこかで見たことのあるような。
「バニー?」
「っ!」
「バニーだよな?」
「違います!」
 否定する声が完全にバーナビーだった。虎徹は天を仰ぐ。彼ががさがさと抱えている紙袋は、この界隈では有名なアダルトグッズ専門店のものだ。なるほど、あの不審者っぷりにも納得がいく。おとなしくネット通販でもしていればいいものを、このおぼっちゃんは帽子をかぶらないというポリシーまで曲げてブロンズくんだりまでのこのこと何をやってるんだ。その頭もどうした。
「いや、バニーだろ」
「いいえ、トムです」
「バニー」
「バニーじゃありません」
 頑ななやり取りに出会った頃を思い出して笑いそうになる。ああ、あの時のおまえ。かわいいバーナビー。二年もすりゃ毛嫌いしてたおっさんにケツ掘られた挙句自分でアダルトグッズ買いに行くようになるぞ。だっせえ恰好して。信じられないだろう!
「そ、じゃあトム」
「近寄らないで下さい」
 この期に及んでばれていないと思っているらしいバーナビーは、懸命に視線を逸らしながら距離を取る。痺れを切らした虎徹が手首を掴むと、これはまずいとばかりに本気で抵抗をはじめた。
「離して下さい!っ離せ!」
「暴れんなって。大事なもん落っことしちまうぞ〜」
「!」
「何買ってきたのかおじさんに見せてくれよ」
 にやにやと下卑た笑みを浮かべる虎徹に、さすがのバーナビーも紙袋の中身を把握されていると察する。ならば死んでも見せるわけにはいかない。帽子を目深に被り直したいところだったが片手を拘束された状態ではそれも叶わず、紙袋を抱く手を強めて顔を伏せた。
「…急いでますので」
「急いでナニすんの?オナニー?」
「…っ!」
 虎徹が容赦なく追い打ちを掛ける。もういやだこのおっさん!と泣き出したくなったがそうもいかず、バーナビーは震える声で離してと呟いた。
「冷てぇこと言うなよ。おじさんが慰めてやるから」
「嫌だ…!」
 ぎり、と手首を握る手に力を籠め、繁華街の外れへとバーナビーを引っ張って歩く。傍から見れば異様な光景だが、土地柄とくに気にされる様子もなく夜の街を進んだ。どうせ周囲にも似たような連れ合いは溢れている。
 
 
 
 つんのめるようにして歩くバーナビーはサングラスの下に涙を湛えていた。華やかな表通りをすぎて、ゴミ捨て場から野良猫に見送られる。人通りは格段に少なくなった。腕を掴まれたまま焦りばかりが先走って言葉が出ない。下品なネオンがまばらにまたたく路地裏で、虎徹が足を止める。
「ねえ、ほんとに離して下さい…お願いだから…」
「なんでだよ、そんなもん買ってるくらいだから寂しいんだろ?ほら、こんなに!すっげぇな…」
 とうとう危惧していた通り虎徹に紙袋を取り上げられ、バーナビーは絶望に顔を歪めた。虎徹は紙袋を覗き込み、バイブやディルドのひしめく様をいっそ無邪気に眺めている。
「うう…」
「トムの恋人は、その…エッチ下手なの?」
 虎徹はおそるおそるバーナビーに尋ねる。どうしてこんなことに、いやまさか。湧き上がった疑惑を確かめなければこの状況を楽しむこともできない。普段のストイックな彼を知っているだけに、このような奇行に出る理由がさっぱりわからなかった。
「違います…」
 蚊の鳴くような返事にほっと胸を撫で下ろして、顎のあたりを掻く。
「じゃあなんでだ?足りねえのか?」
「いえ…今夜誘ったら…先約があると言われ…」
 ぽつりぽつりと、消えそうな声が続ける。そういえばアントニオと飲んでいる最中のメール、あれはお誘いだったのか。そうか。一緒に飲むかと聞いたら返事がなかった。まさかこんなことになるとは。
「今夜どうしてもエッチしたいのにだめだったから、我慢できなくてこんなもの買いにきたのか?」
 とびきり甘い声で囁くと、サングラスの奥で泣きそうな瞳が揺れた。やさしい声に流されそうになったところで、それにしても数が多いんじゃねーの、と茶々が入る。
「…ッ!もういいでしょう!ほんとに返して下さい!」
 さぁっと頬を赤らめて、バーナビーは怒気を孕んだ口調で切り返す。既にプライドはずたずただ。一時の気の迷いで大変なことになった、と激しく後悔している。
「これ返したってトム一人で遊ぶんだろ?おじさんが手伝ってやるよ」
「っひ…!」
 安っぽいパーカーに覆われた腰回りを抱き寄せ、だぶついたジーンズの上から臀部を撫でる。バーナビーの好みからは大分外れた野暮ったい恰好も、今の虎徹にとっては興奮を煽る材料にしかならない。良質な筋肉に覆われたなだらかな腹部や、引き締まった美しい脚が服の下に隠されていることを、街をゆく人間は知らないのだ。
「あ、んん、あっ…やっ…!」
 焦がれていた体温を間近に感じて耐えられる筈もなく、野外であることも忘れて喘ぎが口をつく。低い声と、注意していなければわからないほど極僅かに乱れた息遣い。全部知っている。戦闘時もベッドの中でさえも、彼の呼吸ならすべて。
 虎徹の興奮が、膚を撫でるようにバーナビーへと流れ込む。
「ケツ揉まれただけでそんな声出して。もし他の奴に目ェつけられたらどうすんだよ、バニー」
「ばに…じゃ、ありませ…」
 この期に及んで弱々しく頭を振るバーナビーに、虎徹の中のスイッチが切り替わる。そうか、ならばお望みの通り、トムとして抱いてやろうじゃないか。
「そうだよな、うちのバニーはアダルトグッズ大量に買い込んだ挙句知らないおじさんに触られて感じるような変態じゃねーし」
「…っ」
 ぐしゃりとバーナビーの表情が歪むのを見て、少しだけ胸が痛んだ。泣き出したいのを堪えるように唇を噛みしめて、震えながら顔を俯ける。嘘だって、とおどけて抱き締めたい衝動に駆られたが、こうまで意地を張られてはそう簡単に甘やかしてやるわけにはいかない。
 
 
 
 俯いたニット帽の頭に腕を回し、抱き込むように片手で固定してから帽子ごと耳を噛む。ニット越しに熱い吐息を吹き込まれて、バーナビーはぞくぞくと背を震わせた。ブラウンの髪を舌でかき分け、付け根を辿るように上へ。帽子に半分隠れていた耳を完全に露出させると、まるごと口の中に咥え込んでじゅるじゅると吸う。お耳の弱いうさぎちゃんを落とす必殺技だ。
「んや、あああっあ…!」
 腕の中でくったり力を抜くバーナビーを支えながら、臀部を揉んでいた腕をパーカーの中にくぐらせる。シャツ越しに背筋を撫で上げ、肩甲骨を辿る。指先の動きに逐一身を震わせ、腰を擦り付けてくるバーナビーをいなしながら再び背筋を撫で下ろした。
 いつものジャケットと違ってゆとりのある服の中では、脱がさずとも余すところなく触れることができる。今度は脇腹から手を滑らせ、しなやかな胸筋を揉む。しっかりと立ち上がった乳首をシャツ越しに撫でると、甘い声が漏れた。
「あ、あ…」
「ここ、もう固くなってる」
 さするように撫でた後は、二本の指で左右に弄ぶ。付け根を指に擦られ、先端は布地に擦れて、バーナビーは堪らず腰をくねらせる。
「あん、あッ…!」
 暫く感じ入るように悶えていたバーナビーは、虎徹にしがみついていた手を離すとのろのろとパーカーのジッパーを下げ始めた。はあはあと息を乱し、ぎこちないしぐさでパーカーの前を開けシャツの裾を自らたくし上げる。
「…ねが、さわって、くださ…」
 消えそうな声が風に乗って虎徹の耳に届く。現れたなだらかな白い肌を風が撫でて、薄闇にぴんと立った二つの突起が虎徹を誘った。
「乳首そんなに好かった?」
「ひ!ああっ!」
 虎徹の固い指先に押しつぶされて、バーナビーが甘く鳴く。性器と同じく先端が好きなバーナビーは、乳首を胸に押し込むように真上からぐりぐりと責められるのが好きだった。
「トム、乳首好き?」
「す、き…!すきです…っ!」
 自らたくし上げたシャツを握りしめながら、ねだるように背を逸らして喘ぐ。普段ベッドで聞いてもなかなか認めない癖に、あっさりと陥落したのは別人という設定の為か。もじもじと膝を擦り合わせているのに気付いてベルトに手をかけると、大袈裟に腰が揺れた。
「あっ…!」
「すげえな、ベトベト」
 だぶついたジーンズはベルトを外してフロントを寛げてやると、あっという間にすとんと膝まで落ちてしまう。現れたのはいつものボクサーパンツで、前をぐっしょりと濡らしながら窮屈そうに性器が勃ちあがっていた。
「乳首だけでこんなにして…トムはエッチだなー」
 つつ、と色濃くなった布地を指先で辿ると、晒されたままの白い腹筋が耐えるように痙攣する。腰のゴムに指を引っ掻けて勢いよく下げてやると、充血した性器がぷるんと飛び出した。先端から下着に糸を引いて震えている。
「うう…」
「はは、だせえ恰好が更にだせーなぁ」
 パーカーの前を開けてシャツを胸の上まで上げ、性器を勃たせた間抜けな姿に酷く興奮した。足元には丸まったジーンズ、濡れた下着は太腿のあたりで止まっている。恥丘を覆う金糸だけが街灯にきらめいてきれいだ。髪質と同じくふんわりとしたそれが風にそよいで、どことなくシュールだった。ウィッグをかぶったところで下の毛までは偽れない。
「トム、ちんぽでけーな。これ女のナカに入れたいとか思わねーの?」
「あっ!や…!」
 外気に晒されたままの性器をおもむろに掴んで、虎徹が意地悪く笑う。そうだ、欲求不満なら女を抱くのが真っ当だろう。立場上そう易々と遊べはしないだろうし、そういう人間でもないとわかってはいるが辱めるような言葉が口をついて止まらない。
「ちんぽ擦るだけじゃ満足にイケねーのかなぁ。トム、こっちが好き?」
 バーナビーの先走りで濡れた掌を臀部に這わせ、期待にひくつく蕾を指先でなぞる。ひ、と白い喉が震えて、先端が蜜を増やした。
「後ろ向けよ、触ってやるから。乳首は自分で弄っていいぜ」
 ぱしん、と尻たぶを打って方向転換を求める。有無を言わさぬ声に強制され、ぎこちない足取りでバーナビーは壁へと向かう。わだかまるジーンズに足を取られそうになりながら虎徹へ背を向けると、ゆっくりと臀部を突き出した。
「ひ、どく、しないで…」
「あー?それはお前次第かなー」
 従順に言うことを聞くバーナビーに虎徹は十分満足していたが、この異常な状況がそうさせているのだと思うと納得のいかない部分もある。バーナビーが折れるまで茶番に付き合うつもりでいるが、もしも本当に自分の知らないところで他の男と寝てきたらどうしようという危惧が頭から離れない。
 
 
 
 白い臀部を割って、その中央に息づく蕾を撫でる。喜ぶようにひくひくと収斂し、虎徹の指に吸い付いた。もしや、とそのまま指を進めると、思った通りすんなりと中指が入ってしまう。
「うっ…ああ…ん…!」
 しっとりと熱くぬかるんでまだ潤滑剤の残っているそこは、明らかに虎徹よりも先に何物かを受け入れた痕跡があった。
「なあ、なんでこんなにケツん中キレーなの?」
 ぐるりと一周回してからくにくにと中でうごかしてみるが、引き攣れる様子もなく馴染んでくる。濡らしてもいない指に吸い付き、内壁は喜ぶようにうねる。男の器官として説明のつかない事態だ。
「もう結構緩んでるし…」
「ひ、ぃんっ…!」
「誰かとヤってきたのか?」
 虎徹の胸に暗雲が立ち込める。目つきを剣呑にしながら問うと、慌てたようにバーナビーが声を上げた。
「ち、ちが…!家で、準備を…」
「準備?帰ってすぐオモチャ入れたいから自分でほぐしてきたの?」
 きゅう、と指を食い締める。図星だろう。懸念事項の解消と共に虎徹はすっかり調子づき、ぬるぬると腸筒の具合を確かめるように注迭した。中を洗い、この綺麗な顔を歪ませながら自らローションでほぐしてきたのか。俺がアントニオと飲んでたからって!
「すんげぇ淫乱。家まで待てずにどっかのトイレでオナるつもりだった?」
「そな、こと…しな…っ!」
 苛立った声音が消えたことに内心で安堵しながらも、辱めるような言葉に身を震わせてバーナビーは涙声を上げる。バーナビーではないと主張している時点で誰と関係を持とうが虎徹にとやかく言われる謂れはないのだが、たとえ別人を装っていたとしても他人と寝たと思われるのはいやだった。
「そうだよな、こんなに沢山買ったんじゃ外で試しきれないもんなー」
 のんびりとした口調で紙袋を物色し始める虎徹に、バーナビーは再び唇を噛む。思わせぶりに触れておきながら投げ出された体が切なくて、背を向けているのをいいことにそろりと指を胸に這わせた。
「…っ!」
 懸命に声が漏れないよう堪えながら、露出した胸の突起に触れる。春の夜風はまだ冷たく、ひんやりと冷えた指先で色付いた乳首をつついた。荒くなる呼吸は紙袋のがさがさという音にまぎれ、胸を弄る手が早くなる。
 冷静になってみればとんでもない事態だ。屋外で恥ずかしい姿にされ、買い込んだアダルトグッズを虎徹に見られながら自慰に耽っている。しかし、これからどうなってしまうんだろうという真っ当な思考は性的興奮に押し流されてうまくまとまらなかった。ひたすらに身体が熱い。
「おーおー、こんなグロいのまで…。お前案外勇者だな。俺のよりでけーぞ?…わっ、すっげぇイボついてる!」
 下世話な感想を述べながら箱から出しては次々と袋に戻していく虎徹に、もどかしげに腰をくねらせる。いつの間にか性器から先走りが伝い、陰嚢をぐっしょり濡らしていた。俯き、シャツを噛みながら指の腹で乳首を押しつぶす。
「んっ…!」
 ひしめく玩具の底からやっとローションを見付け出したところで、バーナビーの甘い声に気付いた。足元に剥いだ外装を散らばせ、紙袋に剥き出しの玩具をどっさりと入れたまま、パーカーから覗く白い臀部がゆらゆらと揺れる様を眺める。
 たった今物色したばかりの紙袋からローターを取り出し、スイッチを入れて動作確認をする。ブーンとモーター音を立てて震えるそれにバーナビーがぎくりと体を強張らせて、恐る恐る振り向いた。
「な、にして…」
「お前こそ。乳首気持ち良かったか?」
「っ!」
 まさか気付かれていたとは。真っ赤になって顔を逸らすバーナビーに笑いながら、虎徹はローターを眼前に突き付ける。
「グロいのばかりかと思ったけど、ちゃんとこういう可愛いのも買ってたんだな。折角だからこれ使えよ」
 敢えて一度バーナビーの視界に入れてから、振動するそれを露出した胸に押し付ける。痺れるような快感が胸から腰へと走り、バーナビーは堪らず高い声を上げた。
「あっ…!」
「ほら、自分で持ってろ」
 震える手にローターを持たせ、コードの繋がったリモコンはパーカーのポケットに入れてやる。あ、あ、と小さく声を漏らすバーナビーをそのままに、虎徹はローションの外装をやぶった。
 バーナビーのそこは既にある程度ほぐれているとはいえ入り口は乾いてきており、玩具で遊ぶには潤いが足りない。潤滑剤を買っていなかったら一旦帰らなければ存分に遊べないところだったが、大方店員に勧められたものをほいほい一緒に買ってきたのだろう。バーナビーの馬鹿正直さに感謝しつつ、水に限りなく近い!などと書いてあるローションを手に取った。無香料・無着色だそうだ。キャップを外し掌に出してみると、普段使っているものよりもさらさらとしていて伸びもよかった。伸ばす必要がないのは屋外である現状からすれば好ましいが、ベッドじゃ零れて使いにくいだろう。ばかだなあ、と虎徹は笑みを強くする。
「ローション足すからなー」
「あっ…!つめた…っ」
 たっぷりとローションをまぶした指を挿入して、入り口に塗り込めるようにくにゅくにゅと動かす。暫く放っておかれて寂しかったとばかりに虎徹の指を食い締める中は、潤いを得て喜ぶように蠕動した。
「すぐ三本入るな。トムのお尻やーらしー」
「んんう…!」
 何度かローションを追加して、バーナビーの蕾はすぐにとろとろになった。三本の指が腸筒に突き立てられ、関節が内壁を擦る快感に背を震わせる。いつでも虎徹のものを受け入れられるほどぐずぐずだ。しかし今回はそれが目的ではない。
「さーて、どれからいこうか。オーソドックスっぽいやつっていたら…これかなー」
 紙袋をあさりつるんとしたバイブを取り出すと、感触を確かめるように先端をつまむ。
「おお、ぐにぐにしてる。これなら楽勝だろ?」
「っあ!」
 ゴムのような感触のバイブをバーナビーの頬に押し付け、怯えたような顔に劣情を募らせる。お前が買ったんだろうが、と口に出すかわりにそれをバーナビーの口に突っ込んだ。
「あぐ、っん…!」
「舐めろよ」
 独特のゴム臭さに顔を歪めるバーナビーに、自ら舌で濡らすよう指示する。頬の内側に擦りつけるように動かすと、渋々といった様子でそれに舌を絡めた。サングラスの奥の目を困ったようにさまよわせ、躊躇いがちに玩具をしゃぶる様は普段の彼からは想像もつかないほどいやらしい。
「そろそろいっか。ほんとはゴムつけたほうがいいんだけど、まあいいよな〜」
「ぷぁ…、ッあ!はぁ…っ」
 ちゅぽ、と音を立ててバイブを引き抜くと、あまり躊躇わずに勢いよくバーナビーの後ろへ埋めた。虎徹のものよりも幾分細いそれは簡単に体内へと吸い込まれていく。
「あ、や、おく…っ!」
「残念、これはここで終わりだな」
 長さはそこまでないそれを根元まで埋めてしまうと、取っ手を持ったまま軽くゆすってやる。内壁をぐねぐねと荒され、バーナビーは堪らず腰を揺らした。
「あんっあっ!」
「気持ちいい?でもこれじゃつまんねーよなあー」
 ずるずるとスムーズに抜き差しできるバイブに飽きたのか、それを引き抜くと足元に散らばっていた箱に無造作に突っ込む。紙袋に手を入れて、新たな玩具を取り出した。
「次はーっと。これ!なかなかじゃねー?」
「ひ…!」
 またも見せつけるようにバーナビーの前に突き出したのは、大きめの玉がいくつか連なったアナルパールだった。有無を言わせず先程と同じように口許に押し付ける。薄い唇が僅かに開いて、おずおずとそれを口にした。
「すげーボコボコしてんなぁ。しっかり舐めろよー」
「ふぁう…」
 口の中を玉に蹂躙され、もごもごと顎を動かす様は動物めいてかわいらしい。ひとつひとつに舌を絡めてたっぷりと唾液をまぶしたのを確認すると、咥内からそれを引き出した。唾液に濡れた先端をつぷりと蕾に入れる。
「んっ……はぁ…っ」
「これもそんなに太くねえし、まあまあかなー」
「ふぅっ…ふ…、う、っ!?」
 アナルパールを埋め切り、ゆっくりと引き出したところでバーナビーの反応が変わった。
「お?」
「あああっ、あー…っ!」
 ずる、ずる、とひとつずつ玉が抜けるたび、身震いしながら声を漏らしている。先程のバイブにはない反応だった。
「抜ける時がいいの?」
「あーっ…!」
 ふるふると震えながら微かに首を縦に振る。顔を覗き込むと開いた唇から赤い舌がひらめき、腰にくる表情をしていた。たまらず最後の一個を残したまま勢いよく中へと埋め込み、再びパールを引き出してやる。とてもローターを持ってはいられないようで、バーナビーはローターを取り落すとがくりと壁に手を突いたままねだるように腰を突き出した。振動を続けるローターが震動音を響かせたまま、パーカーのポケットから宙づりになって揺れる。
「はぁっ…はぁっ…んぅーーっ…!」
「これ、随分お気に入りみたいだな。もっとヤバそうなの、いっぱいあったけど…」
 もう答える気力もないようで、虎徹が埋め込んでは引き出していくパールに翻弄されながらびくびくと背を震わせている。暫く遊んでやるか、とそのまま注迭を続けた。
 
 
 
 パーカーの裾から覗く剥き出しの白い尻と、その中央に飲み込んだ卑猥な性具のコントラスト。元々テスト用の電池しか入っていなかったローターが次第に振動を弱める。
 バーナビーはアナルパールに夢中だった。大きさや個数の違うものをいくつか試したがどれも堪らないようで、今では新しい玩具を口許に持っていくだけで条件反射的に舌を這わせる。口に含みうっとりと舐める様は子供が指をしゃぶるのと同じような無垢さがあるのに、恍惚とした緑の目だけが欲に濡れて異質な輝きを放っていた。
「腹に力入れてみ。俺が引っ張んなくてもきっと気持ちいいぜ」
「はぁっ…あっ…!あ、うぅー…っ!」
「そーそー、上手。トムはえろいことすぐ覚えるなー」
 撫でるかわりにぴしゃりと臀部を叩くと、ひゃんと良い声で鳴いて出しかかっていたパールを尻の中に引っ込めた。宥めるように腰を撫でて、再び疑似排泄を手伝ってやる。はぁはぁと息を乱し、顔を真っ赤にしながら気張る様子は見物だ。
 幾度か足したローションのお陰で内腿はべったりと濡れ、いやらしく充血した蕾がパールを食んでいる。紙袋にひしめいていた玩具の半分以上をその身で試したバーナビーは、すっかり気をやった様子で無心に腰を揺らめかせていた。いくつもの性具を試したが、虎徹はまだバイブレーションを使用していない。単純に電池を入れるのが面倒だったというのもあるが、動かない状態でこれだけ感じ入っているバーナビーに振動を与えたらどうなってしまうのだろうという期待もある。楽しみはとっておくものだ。
「なあ、トム。そろそろ次のいこうぜ」
「ん、ぅ…」
 引き抜かれる感触に身を震わせ、唾液を口の端から垂らしながら虚ろな目をしたバーナビーが振り向く。次に入れられるものを自らしゃぶることにすっかり慣れたがゆえの反射行動だ。
「ホラ、これ」
「っあ…!」
 虎徹が取り出したのはいかにもという様相のグロテスクなバイブだった。これまでに試した中で最も太く、埋め込まれたパールが回転するタイプだ。見た目にも凶悪なそれを突き付けられ、動揺したバーナビーは焦点の合わない目をさまよわせる。
「こ、れは…」
「お前が買ったんだろ?すげぇなー、こんなの買うやつなかなかいないんじゃねーの」
「……っ」
 ふい、と顔を逸らそうとするのを許さず唾液に濡れた細い顎を掴み、凶悪なそれを口の中にねじ込む。
「これ買う時、興奮した?入れたらどうなるんだろうって想像したか?」
 これまでとは比べ物にならない太さの玩具に苦戦しながら、懸命に舌を動かして唾液をまとわせる。口を塞がれたままで意地の悪い質問に答えられるわけもなく、ただ切なげに目を細めた。
「入れてみようぜ。トムのケツ、壊れちまわないかなー?」
 顎が疲れてきたところで口内を犯していたものが引き抜かれ、間髪入れず丸い先端が蕾へ押し付けられる。みち、と肉を割り開く感覚に思わず肩で呼吸した。圧迫感もさることながら、アナル用だけあってつるりとした表面のものが多かったこれまでと異なり、無数のイボに腸壁を擦られてぞくぞくと背を震わせる。
「あ、ううっ…!」
「よく入るなー、こんなもん。もうちんぽ要らないんじゃねぇ?」
 最初こそ裂けてしまうのではないかと慎重に進めていた虎徹だったが、バーナビーの蕾が案外柔軟にそれを飲み込んでいくのを見て手付きをやや粗雑なものに変えた。襞が限界まで広がってぽってりと玩具を咥え込んでいる。取っ手を掴み前後に揺すっても、くぷ、と音を立ててローションが溢れるくらいで切れる様子はない。
「っ、ん…は…、も、いっぱい…!」
「上手に咥えてるぞー。そろそろスイッチいれてみようぜ」
「…?」
 すっかり玩具が動くということを失念していたバーナビーは、虎徹の言葉にうまく反応できないままぼんやりと瞬きをする。バーナビーの尻がすっかりとバイブを飲み込んだところで、持ち手にあるスイッチをオンに切り替えた。
「ッあああ!ひ、あぁーーーッ!」
 ヴーーーー!と強烈な震動音を響かせ、バーナビーの中でバイブが暴れ出す。あっという間に押し戻されて落ちそうになるそれを虎徹が掌で押し込むと、大袈裟なほど腰が跳ねた。
「ぃぎ、や、ぁめ、も、とめて、とめて…っ」
 がくがくと膝を震わせ、崩れそうになる体を後ろから支えてやる。呼吸すらままならないのか白い喉を引き攣らせ、過ぎた快楽に耐える様は壮絶な色香を放っていた。
「トム、ここ外だから」
「ふぐぅーっ…!」
 このまま続けたらどうなるのだろうという好奇心はあったが、通報されては洒落にならない。いくらバーナビーが変装しておりここが歓楽街の外れだからといって、物事には限度というものがある。屋外で事に及んだ時点で大差はないのだが、警察のお世話になるのは避けたかった。
 掌で口を塞いだままバイブのスイッチを切ってやると、バーナビーは放心したようにへたりと座り込んでしまう。気付けば前もしとどに濡らしてひどい有り様だった。さらりとしたそれはどうやら尿ではないらしく、独特の鼻をつく匂いもない。
「おいおい、大丈夫か?」
 バーナビーは未だ痙攣の収まらない体をくったりと壁に預けたまま、虚ろな目を虎徹に向けた。大きなサングラスはずれて濡れた瞳が覗き、顔は涎どころか洟まで垂らしてぐしゃぐしゃだ。気高い青年をここまで汚したことに背徳と愉悦を覚え、虎徹は下卑た笑みを浮かべる。
「も、ゆるして…ふつうに、してくださ…」
「普通?俺、バニーとしかしねぇしなー」
 弱々しく手を伸ばしてくるバーナビーは魅力的だったが、この茶番が続く限りは事態を収束させようがない。試しに助け船と言えなくもない言葉を投げてみるが、バーナビーはきゅっと唇を噛んで眼光を鋭くするばかりだった。
「あ、なたのバニーも、今頃他の男と、寝てるかもしれませんよ…っ」
 唇を震わせながら言い返してきたかと思えば、性懲りもない憎まれ口だ。今俺の前で潮吹くほどよがってたのは誰だよ、と内心罵倒しながら目を眇める。
 おもむろに自らのベルトに手をかけ、スラックスの前を寛げた。バーナビーの痴態に仄かな酔いも醒めて、下着をずらすと十分に勃起した虎徹自身が現れる。バーナビーは虎徹の手が性器を掴み、軽く扱きたてる様を食い入るように見つめた。
「うちのバニーは俺のちんぽが好きなんだからそんなことしねーよ」
 今まさに恍惚と物欲しげな目を向けていたバーナビーに酷薄な笑みを返し、ゆっくりと見せつけるように自らの性器を扱く。ここでノってこなかったらどうすっかなー、と算段を立てるまでもなく、バーナビーは重い腰を上げた。じりじりと這うように虎徹の足許へ擦り寄り、そそり立った肉棒へ頬を寄せる。細められた眸はいっそ慈愛を帯びて、愛おしげに虎徹自身へ口付けた。
「ん…」
 ちゅ、と先端を唇で挟む。完全に露出した亀頭をくるりと舌で舐め、割れ目をちろちろと舌先でなぞる。先走りを啜り、自らの唾液と混ぜ合わせてから性器に垂らした。舌先から糸を引く粘液がいやらしい。根元を支えるように添えていた手をゆっくりと上下させ、慈しむように体液を伸ばしていく。
「コレはバニーのだから、トムにはやれねーんだって」
「……、」
 くしゃりと帽子の上から頭を撫でると、虎徹自身を含んだまま切なげに眉根を寄せる。流されてしまいそうになるのを堪えながら、甘えるように先端をちゅうちゅうと吸うバーナビーをあやした。
「トムはちんぽよりオモチャが好きなんだもんな?」
「ふ、うぅっ…」
「こーんなにいっぱい買ってくるくらいだもんなー」
 辱めるような言葉にバーナビーが目に涙を浮かべ、ちゅぽっと音を立てて性器を唇から離す。竿を握った手は離さぬまま虎徹を見上げた。
「いじわる…しないで…!も、くださ…」
「何が欲しいんだ?」
 鼻を鳴らしてねだっても、虎徹は許してくれない。あくまでバーナビーの口から言わせようとするので、困り果てたように眉を下げる。
「こ、てつさんの…」
 言い淀み、こくりと喉を鳴らす。高められた体は散々甚振られ、ただ一人の体温を求めていた。冷たく無機質な玩具では到底足りない。早くひとつになりたいのだ。
「言えるよな、バニー」
 バニー、と呼ぶやさしげな声の響き。自分だけに注がれるまなざし。焦がれていたそれをやっと与えられて、バーナビーの涙腺が綻ぶ。虎徹がその名を口にするたび、違う誰かのことのように思われて胸が痛んだ。確かに自分のことを指している筈なのに、彼が見知らぬ他人のものになってしまったような気がして。虎徹に愛されているのは自分だと主張したいのに、こんな醜態を晒して幻滅されてしまったらどうしようという不安が歯止めを掛ける。
 本当はずっと、虎徹に触れられたかった。バーナビーとして虎徹に愛されたかった。
「んっ…バーナビーです、あなたのバニーです…っ!」
 縋るように両手を伸ばすバーナビーを抱き寄せると、性急にキスを仕掛けられる。意識していたつもりはないが、あれほど淫らなことをしておきながら唇は重ねていない。トムを名乗る以上バーナビーの方から触れることもできず、久方ぶりの唇を無心に吸った。
 首に腕を絡めてしがみつき、舌を擦り合わせる。呼吸が混じり、路地裏に湿った音が響く。はしたない自分を受け止めてくれるだろうか、と不安げに瞳を揺らしながら、すぐ傍に近付いた虎徹の耳へと唇を寄せた。
「ぼくのおしりに、こてつさんのおちんぽ、ください…」
 掠れた声で囁かれ、虎徹は目が眩むような興奮を覚える。普段のバーナビーならば決して言わないであろう卑猥な言葉に、彼がどれだけ自らに焦がれていたのかを知らされたような気がした。
 
 
 
 殆ど脱げてしまっているジーンズから片足を引き抜き、膝を抱え上げて腹に付く程折り曲げる。背中を壁に預けながらバーナビーは露出した下半身を虎徹の前に晒し、蕾に埋まっていたバイブを自ら引き抜いた。
「あ、くぅ…っ…!」
 ずるり、と質量を持ったそれを引き抜くと締まりきらない穴からローションが滴り、内腿を更に濡らす。潤滑液にまみれたバイブは地面に放り、重たく膨らんだ双房の下慎ましく収斂する蕾を指で開いて虎徹を誘った。
「はやく、くださ…」
 掠れた声で、切実なささやき。昂ぶった神経を強烈に刺激されて虎徹は息を呑む。汗ばんだ膝裏を抱えながら張り詰めた欲望を宛がい、一気に貫いた。
「あーーー…!」
「……っく…!」
 みちみちと肉の輪が広がって虎徹を飲み込んでゆく。温かく濡れたそこが絡みついて、奥へと誘った。冷たい玩具に慣れ切っていた粘膜は人の温もりに歓喜し、バーナビーがほうと恍惚の息をつく。
「はぁ、あ、こ、てつさ、おなか、あったかい…」
 無理な体勢での挿入でいつもよりも締め付けが激しく、虎徹は奥歯を噛みながらふうふうと息をした。気を抜いたらひとたまりもなさそうだ。バーナビーはできるかぎり腰を浮かせ、柔軟な体をいかして足を広げる。
「おねが、うごいて…!いっぱい、して…っ」
 自ら腰を揺らしてじゅっぽりと肉棒を食むバーナビーに、堪らず腰を固定して突き上げた。がっしりとした腰骨を掴み、欲望のまま腰を打ちこむ。突き入れるごとに体がばらばらになるような快感が虎徹を襲い、シャツの下にじっとりと汗をかいた。鳴き声のような嬌声がやまない。
「あっ、あっ、ああっ…!いい…きもち、っい…」
「バニー…」
「ひぁ!っう、あ、ん!すき…すき、です…っ」
 切れ切れに繰り返すバーナビーにたまらなくなり、その白い首筋に鼻先をうずめる。律動にウィッグがずれ、金色の襟足がはみ出して膚に張り付く。塩辛い膚を舐めしゃぶりながら、ウィッグで蒸れた彼の体臭を肺いっぱいに吸い込んだ。
「オモチャと、どっちが好きだ…?」
「あ!こ、こて、つさ」
「俺の?」
「ち、んぽ、ちんぽ、しゅき、あ、あ」
 ねろねろと耳を舐めてやると、蕩けた表情で卑猥な言葉を口にする。本当に別人のようだった。そのまま望み通り荒々しく腸筒を犯し、甘い肉体を貪った。痙攣する体を抑え込んで、最奥にたっぷりと射精する。
「…ーっ!」
「あー…っ!」
 バーナビーが腹の上に申し訳程度の白濁を吐き出す。体内に注ぎ込んだ虎徹が最後まで搾り取るような腸壁の動きに合わせて腰を動かすと、くったりと萎れた性器からしょろしょろと僅かに尿が漏れた。
「…は、漏らす程よかった?」
「ん、んぅ…」
 揶揄にもバーナビーは荒く呼吸を繰り返すばかりで、弛緩した体を支えきれずずるずると壁をつたいしゃがみこむ。性器が抜けてしまうと急に現実味が戻ってきて、虎徹は目を覆うような惨状にひたすら焦りを覚えた。取り敢えずは他人に見つからないうちに後始末をして撤収したい。汗ばんだ膚をすうすうと撫でる夜風に肩を竦めながら、散らばった玩具や箱を拾い集めた。
 
 
 
 
 
 
 翌朝、バーナビーが目覚めたのは虎徹の家のロフトベッドだった。当然のようにランニングの虎徹が隣にいて、穏やかな幸福感に満たされる。ブラインドから差し込む日が少し埃っぽいシーツに落ちて、夢のようだ。欠伸をすると自らの髪が頬に流れ、くすぐったくて目を細めた。
 そこでふと我に返る。
 魔法が解けてしまっていた。アッシュブラウンのウィッグもティアドロップのサングラスも、野暮ったいニット帽も何もない。虎徹の腕の中にいるのはただのバーナビーで、昨夜の失態を思い出すことを頭が拒否していた。第一、掘り起こそうにもあそこからこの家に帰り付くまでの記憶がない。
 膚はさらさらと乾いて、昨夜の名残はどこにもなかった。夢だったのではないか、と身じろいだところで全身の鈍痛がそれを否定する。背中が擦れてひりひりと痛んだ。

 呆然としていると、出窓の目覚まし時計がけたたましく鳴った。普段は自然と虎徹のアラームよりも一時間近く前に目覚めるので、突然の事態に動揺して身を強張らせる。
 どんな顔をしたらいいか脳内会議をするべく内なる存在に召集をかけていたところで、目の前の彼がぱっちりと目を開いた。
「よ、よお」
「…おはようございます」
 こういった時ばかり目覚めの良い、裏返ったような声がいまいましい。当たり障りのない反応をすればすぐに調子付いてからかいの色を瞳に浮かべる。
「昨夜はすっごかったなぁ!」
「いいえ、それはトムです。」
 もういいや。これで。








(120403)


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