【03】



「え!ほんとに住んでいいの!?」

「今このシェアハウスの管理主のお館様に電話してきたの!名前ちゃんの事情をお話したら落ち着くまでここに住めばいいし、お仕事も何か見つかるまではここのハウスメイドのお仕事を繋ぎでしたらいいって仰っていたわ!勝手に事情を話してしまってごめんなさい!だけど名前ちゃんと一緒に暮らせるなんてとっても楽しみだわ〜!」


私の手を取りキャッキャッと楽しそうに小さく飛び跳ねる蜜璃ちゃん。確かに住む場所にも仕事にもすごく困っているけど、私の知らないところで話が順調に進みすぎていて正直頭の中で状況を理解していない。


「おいおい甘露寺落ち着けぇ、花嫁が何にもわかってませんってアホ面してるぞ。」


察しのいいイケメンがそう言えば蜜璃ちゃんの動きが止まる。ん?今この人私のことアホ面って言った??


「あっごめんなさい…名前ちゃんは大変な目に遭ったのに私ったら浮かれちゃって無神経だったわ…」

「そんなことないよ蜜璃ちゃん、私のこと助け出してくれて今後の生活のことまで心配してもらえて…こんなにしてもらえて私は幸せ者だよ?」

「名前ちゃん…!」


ギュッと抱きしめ合う私達をつまらなそうに見ているイケメンが端っこに見えた。人生最大の崖っぷちにいたけど、数時間のうちになんとか住める家も繋ぎの仕事も見つけた。まだ不安や問題は山積みだけど、これだけでもかなりの前進だと思う!私の人生きっとやり直せるはず!と希望が湧いてきた。


「あのさー、一応俺もこのシェアハウスの住人だしこうなった経緯とか聞きたいんだけど?」

「あっですよね、ごめんなさいっ…」

「そうしたら名前ちゃんさえよければ、夜にみんなが揃ってからお話したらどうかしら?もちろん話したくなかったら無理にとは言わないわ!」

「ううん、話せるよっていうか、ここに住むんだから住人の方にはお話するのが筋だと思うし…」


正直初対面の人達に今日あった出来事を説明するのは少し心苦しいけど、きちんとお話させてもらおう。とりあえずドレス姿ではなんなので蜜璃ちゃんのお部屋で着替えを借りることにした。


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