【11】



「あ、不死川さんおかえりなさい!お疲れさまです!」

「おー…」


寝る前に食料の在庫のチェックをしていると仕事から帰ってきた不死川さんが疲れ顔でリビングに入ってくるなりソファに倒れるように座り込む。時間はもう23時過ぎ。朝からこんな時間まで仕事をしてたらタフそうな不死川さんでもそりゃ疲れちゃうよね。


「不死川さんご飯食べましたか?」

「いや食ってねェ、けど今日はいい…悪ィ。」

「いえ全然!疲れすぎちゃうと食欲無くなりますよね〜、今日はきのこの炊き込みご飯と煮物が上手にできたんですよ、また作りますね!」

「……やっぱり食う。」

「え?」

「献立聞いたら食いたくなっちまった。」

「ふふっわかりました!支度しておくので先にお風呂でも行ってきて下さい!」

「おう、ありがとうな。」


そう言えばソファから立ち上がりリビングを出て行く不死川さん。私は疲れが少しでも取れるといいなと思いながらご飯の支度を始めた。



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「どれも旨いな。炊き込みご飯おかわりあるか?」

「はいもちろん!ここの人たちは大食漢な人たちが多いからいつもたくさん作ってあります!」

「煉獄と甘露寺だけでもかなり大変だもんなァ。」

「けどそれを見越してか、置いてある料理器具や家電も大きいものばかりなので助かりました。」


不死川さんの向かいに座ってお茶を飲みながら話をする。そういえばこんな風に不死川さんと2人でゆっくり話すのは始めてかもしれない。


「そういえば不死川さんってお仕事は何をされているんですか?」

「システムエンジニア。まぁサラリーマンってやつだなァ。」

「そうだったんですね!シェアハウスにはどうして?」

「俺の家は兄弟がたくさんいるんだよ、7人兄弟。まだ小せェのもいるから色々金もかかってな。だからシェアハウスに住んで少しでも金貯めてんだよ。家族には少しでも苦労させたくないからなァ。」


こんなに強面で接している感じも少しぶっきらぼうなのに、実は家族思いで頑張り屋さんでものすごく優しい不死川さんにほっこりしてしまいおもわず顔がほころんでしまう。


「不死川さんアイス食べます?みんなには内緒ですよ!」

「オイ、お前何ニヤついてんだァ。」

「別にぃ〜?ほらどうぞ、溶けちゃいますよ?」


個別包装されているアイスを取り出し差し出せば不死川さんが少しだけ不機嫌そうな顔をしながら受け取ってくれる。そんな顔をしていても本当は心優しい人なんだとわかってしまった私はちっとも怖くないし気にしない。アイスを渡したときに指先が触れ合ってドキッとした気がしたけどそれも特に気にしないことにした。

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