【03. Fire Starting】



「飲み会と言う名のつまりは合コンか、俺はあまりそういう場が得意ではないのだが!」

「頼む!人数合わないと女の子にキャンセルされちゃうからさ、俺彼女欲しいんだよ!協力してくれよ煉獄!」


昼休み中、同僚は両手を合わせ頭を下げてくる。今日は金曜日だ、週末は休みだし確かに今夜は呑みたいとは思っていたが知らぬ女性が来る飲み会か…。出会いは特に求めていないが同僚も困っている様だしここは協力してやろう。


「わかった!ならば行こう!」

「煉獄ぅ〜!!!」


ちょうどその頃昼休みの終わりを告げるチャイムが校内に響く。午後の授業に向けて気持ちを切り替え教材を持ち席を立ち上がった。



ーーーーーーーーーー



職場の学校までは車で来ているため一度帰宅しスーツから私服に着替え電車に乗った。その間に同僚から「今日の女の子たちめちゃくちゃ美人らしい」とメッセージを受け取った。まぁ自分にはあまり関係ないが同僚が嬉しそうで何よりと思った。
予約してある店はスペインバルの店だった。店に着き時間になれば同僚と同僚の友人、お相手の女性2人が集まった。女性陣の1人が仕事で来れなくなった旨を聞いて自分は来なくても良かったのではと思ったが、場を壊してしまっては申し訳ないので残って同僚たちを応援することにした。


「名前やっと仕事が終わったって!これから来てくれるって!すごい美人なんだから!アタシには負けるけどね!」


携帯を覗きながら謝花さんが嬉しそうに言った。まぁ人数的にも残っていてよかったと思った。それに珍しい料理や酒がたくさんあって自分もそれなりに楽しめていた。


「うまい!うまい!」

「煉獄さん声デカっ!!」

「こいついつもそうなんだよ〜」

「このパエリアうまいぞ!君たちはもう食べないのか!」

「煉獄と違ってそんなに食えるか!」


同僚が元気よく俺にツッコんで来たところで個室のドアが開いた。遅れてきた女性が来たのかと思ってドアに視線を向けた。


「遅れてごめんね、名前です!」


俺はそこに立つ人物を見た瞬間に心臓がドクンっと跳ね熱くなり一瞬呼吸を忘れ苦しくなった。



〔Fire Starting/着火〕


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