【15.Are you testing me?】



「ほんとか?俺が初めて?」

「ほんと。この部屋住んでもうすぐで3年になるけど誰も呼んだことない。友達も親すらも呼んだことない。」

「なぜだ?」

「言ったでしょ、ここは私のお城なの。大切な場所のうちのひとつ。働いてお金貯めて自分の好きな物を集めて詰め込んだ部屋。そこに無闇に人を呼びたくなかったの。」


名前には人と一線引く傾向があると思った。誰かと深い関係になることに抵抗がある様だ。決して人見知りではないし人懐っこい方だ。友達も多そうなのにそれは意外な一面だった。


「その城に俺が足を踏み入れてもよかったのか?」

「んーそうねダメね、やっぱり帰ってくれない?じゃないと衛兵を呼ぶわよ!」


冗談を言い帰れと言うわりには俺に寄りかかってくる名前。肩に頭を預けて来て少し眠そうにしていた。部屋にある時計を見るともう日付が変わる頃だった。


「酔ったのか?」

「んーん……」

「眠い?」

「そーかも…」


肩に腕を回せば胸元に擦り寄ってくる。うむ、またもや試練を与えられているな。わざとなのか?顔覗き込めば俺の気持ちなど知らずに目を瞑っている名前。さてどうしたものか。そっと離れて帰るべきか、ベッドまで運ぶべきか…考えていると自分も眠たくなってきた。彼女の体温が心地良い。空いている片手にそっと指を絡ませてくる名前。


「…わざとだろう?」

「そーかも…?」



〔Are you testing me?/試している?〕


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