我が家の愛犬


(姉設定です)


最近、弟の結人が犬にそっくりだということに気付いた。
そう思ってしまったが最後、犬にしか見えなくなってきた。
今日はそんな我が家のワンコを観察してみようと思う。

犬種は…多分柴犬だろう。赤茶色の髪の毛は柴犬の毛色に似ていて、撫でると気持ちが良い。
頭を撫でられるのが好きなようで、よく『褒めて!』とやってくる。
望み通りに撫で回すとちょっと迷惑そうな顔をする。加減が難しい。

サッカーが大好きで、芝生のフィールドでボールを追い掛けている。
その時の表情はキラキラしててとても可愛らしい。更に走ってる姿は凛々しくてかっこいい。
これは家族の贔屓目とかではないと思う。

結人は人懐っこく、天真爛漫な性格である。
そして、悪戯が好きでよく友達をからかって遊んでいる。
「そんな事してたら嫌われちゃうよ?」と言うと「アイツが俺を嫌うわけないって」とあっけらかんと言う。楽天家でもあるようだ。

よく食べ、よく寝る健康児。でもトマトは食べない。
「好き嫌いしないで食べなさい」と言うと大抵のものは渋々食べるが、トマトだけは食べてくれない。
いつか食べさせてやろうと密かに目論んでいる。


私が自分の部屋で机に向かいそんなことをボーッと考えていると、結人が部屋にきた。


「なまえ姉ちゃん」
「なにー?」
「ゲームしようぜ!この間新しいの買ったんだ。対戦しよう、対戦!」


ワンコはゲームを持ってきて、遊びに誘ってきた。
このとき顔には『構って!』と書かれていた。
しかし、残念ながら今日は課題が終わっていないので遊んであげる事が出来ないのですよ。…さっきまでやってなかったけど。


「ごめん、結人。課題が終わらないと…」
「えー…マジかー…」


そのことを伝えるとキラキラした表情が一転して、悲しそうな顔になった。
「キュー、キュー」と鳴き出しそうだ。構ってあげたくなる。
よしよしと頭を撫でながら「でも終われば遊べるよ」と言うと、パッと表情が明るくなった。
クルクル表情が変わって面白い。


「だから良い子で待てしていなさい」
「よしきた!」
「良し、お利口さん」


机に向き直り、課題に取り掛かる。
結人はというと部屋から出ていかずに一人で遊んでいる。構ってあげられないので此処にいられても困るのだが、出てけというのも可哀想なのでそっとしておくことにした。


しばらくして課題が終わった。
しかし、終わったということを伝えずにジッとワンコを見ることにした。
結人は部屋にある漫画を読んでいた。
時々あくびをしたり退屈そうにしている。
そしてチラッとこちらを見る。あ。目が合った。


「え、なまえ姉ちゃん何でこっち見てんの?」
「暇だから観察してました」
「課題終わったの?」
「うん。5分くらい前に終わったよ」
「何だよ!早く教えてくれよー!」


ブーブーと言いながらもどこか嬉しそうである。
尻尾があったらブンブン振っているんだろうなぁ。


「じゃあ早くリビング行こうぜ!リビング!」
「はいはい。そんなに急がないでもテレビは逃げないよー」
「しかしゲームの時間は確実に減っているんだ!さあ急ぐんだなまえ隊員!」


グイグイと私の腕を引いて部屋を出る。
「早く早く!」と全身を使って訴えてくる様が本当に犬にしか見えなくて思わず笑ってしまった。
不思議そうに首を傾げているのも、もう柴犬がキョトンとしているようにしか見えなくなってきた。
我慢できなくなってクセのある赤茶色の髪の毛をぐっしゃぐしゃに撫で回したら、やはりちょっと迷惑そうな顔をした。


「何すんだよー」
「ごめん、感情が高ぶった」
「え、何それ俺の可愛さにムラムラしたってことー?やだー、ちょっとなまえ姉ちゃんを見る目変わるわー」


調子に乗った事を言ったのでデコピンをしたら恨めしそうに、上目遣いで睨まれた。
そんな様子も可愛いなと思ってしまう辺り自分は末期なのかもしれない。
さっきグシャグシャにした髪を手櫛で整えてあげながら「まぁ、可愛いってのは事実だよね」と褒めてあげると、「にひひ」と照れ臭そうに笑った。
うん。やっぱり世界一可愛いわ、うちの子。
そして私は末期だわ。絶対。


【我が家の愛犬】



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結人が柴犬にしか見えないよって話です。
しかし、結人のキャラが定まっていない。

2012/04/11


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