※結人視点
ヘタレかじゅまくんが恋をしたらしい。
相手はあいつの地元のコンビニの店員。
恋したきっかけは?と聞くと(かなり)渋りながらも話し出した。
―――
「…あの、」
『はい?』
「このりんごジュース、いつも買っていかれますよね?好きなんですか?」
『…はい、まあ』
「これおいしいですよね!私も大好きで買おうとするんですけど売り切れちゃうことが多くて。でもお客さまはいつもタイミングよく来て買われていくんで…これも最後の1つですよ!ラッキーですね!」
『!…そうですね』
―――
『え、それだけ?』
『なんだよそれだけって!いいだろ別に!』
『まあ、一馬らしくていいんじゃない。で、その…みょうじさん?に連絡先とか聞いたの?』
『きっ、聞ける訳ないだろ!つかいきなり聞いたら引くだろ!』
『甘いな〜おまえは!連絡先聞いて試合見に来てもらっていいとこ見せればみょうじさんもイチコロだろ!』
『い、イチコロって…』
『そうと決まれば連絡先聞きに行こうぜ!今日!』
『今日?!唐突すぎるだろ!せめてあした…』
『思い立ったら即行動!だろ?練習終わったら行くからな!逃げんなよ!』
そしてあっという間に練習が終わり、用事があると言って帰った英士を除いて俺と一馬はみょうじさんがいるコンビニに来ていた。
『さて、みょうじさんどれだー…お、結構かわいいじゃん!ああいうのがタイプなんだなーかじゅまくんは』
『声でけぇよ結人!つかかじゅまくんって言うな!』
「あ、真田くんだ!こんばんは!」
『こ、こんばんは』
「今日も練習だったの?いつも大変だねえ」
『大変ですけど…まあ、好きなことなんで』
「ふふ、そっか。あ、今日もりんごジュース最後の1つだよ!ほんと運いいんだねー!」
『え、じゃあこれ…』
「ううん、さっき買ったから大丈夫!ギリギリセーフ!」
『じゃあもうちょい早く来てみょうじさんの分も買い占めればよかった』
「えー!なにそれ真田くん優しくない!」
…あの一馬が女子と普通に喋ってる…
イイもん見たわ。英士にも見せたかったなー
と思いつつ彼女に話しかけた。
『あの、こいつがみょうじさんに聞きたいことがあるみたいなんすけど』
「え、そうなの?何なに?」
『!おい結人っ』
(この俺が絶妙なパス送ってやったんだ、しっかり決めろよ!)
『〜っ、あの!』
「なあに?」
『あの、その…みょうじさんの、』
「わたしの…?」
(いけ一馬!頑張れ!)
『…す、好きな食べ物ってなんですか?!』
『は、』
「…えーと…アップルパイ…かな?」
『あー…うまいっすよね!俺も好きなんすよ!……………っすいません、また来ます!』
「え?あ、ありがとうございましたー…?」
『おい一馬!…ったくあのヘタレ!…みょうじさん、あいつあんなんですけどこれからも仲良くしてやってください!じゃっ!』
「はあ…どうも…(中学生って元気でいいなあ)」
あのヘタレは一生直んねえだろうなー…
とりあえず英士に報告して、当分の間からかってやろうと決めた。
<りんごジュースとアップルパイ>
――――――――――
なんだこれ!
ウブな真田少年が書きたかったのです。
それをなんとなく感じていただけたら幸いです。
すいませんでした(^q^)
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