事件は、
「笠松くんっ!」
「あ?どうしたみょうじ」
廊下で起こった。
「私のこと殴ってください!」
「……は?」
―――――――――
事の発端は3日前の昼休み。
同じクラスでマネージャーのみょうじの一言から始まった。
「笠松くんはいつわたしのことどついてくれるのかな、ねえ森山くん」
「……みょうじはそういう趣味を持ってたのか、意外だな」
「違うよ!私はただ純粋にどつかれたいだけで!」
「言い訳になってないぞ。
でもいきなりどうしたんだ?」
「…黄瀬くん」
「黄瀬?」
「いつも殴られてるじゃない?」
「そうだな」
「あれは笠松くんなりの
愛情表現だと思うの」
「まあ…そうだな…そうなのか?」
「だから私も…どつかれたいなー、とおもっ、て…」
「……」
「なによその顔」
「いや?つまりみょうじは笠松に愛されたいんだなと思って」
「あ、い…!
ち、違うよばか!
そんなんじゃないの!
この残念イケメン!」
「はは、そんな褒めるなよ」
「―ってことがあったからあいつはあんなこと言ったんだ」
「なるほどな…
んで俺にどうしろっつーんだよ」
「そんなの簡単だろ。
「俺もみょうじのこと好きだぜ」
って言って抱きしめて…キスでもしたら完璧だ」
「んなこと出来る訳ねぇだろうが!お前じゃあるまいし!」
「とにかくあいつの気持ちに答えてやれよ。
こんなもん告白されてるのと一緒だぞ?」
「こ、告白…」
「女の子に告白させたあげく焦らすだなんてお前も色男だな」
「残念イケメンには負けるけどな」
「はは、揃いも揃ってそんな褒めるなって」
なんて話をしていたのが今日の部活前。
そして再び事件は起こった。
部活も終わり各々片付けやちょっとしたミーティングをしていた時、体育館にちょっと緊張したような笠松の声が響いた。
「みょうじ!」
「ん?なに?」
「……」
「笠松くん?どうしたの?」
「あの…その…」
「ん?ていうか顔真っ赤だけど…大丈夫?」
「〜っ、くそっ」
と言うが早いが突然みょうじのむき出しになっている額をばちん!と叩いた。
と思ったら持ち前の俊足を使いすごい勢いで体育館から出ていった。
一部始終を見た部員は唖然としている。
黄瀬や早川は「なんなんスかね…今の」「…なんだ(ろ)うな」と首をかしげているし、事情を知っている小堀は苦笑している。
そしてみょうじは最初こそぽかんとしていたが、意味が分かったらしく顔を綻ばせながら俺の所に来て
「ねえ!今の見た!?笠松くんが私にデレたよ!ねえ聞いてる森山くん!」
などと子犬のようにきゃんきゃん吠え喜んでいた。
笠松がどういう真意でああいう行動に出たのか謎だが、あの赤い顔からして…まあ、そういう事だろう。
そんなじれったい2人に俺が言えることは1つだ。
「…もうお前ら早く付き合え。そんで爆発しろリア充が!」
<わんわんお!>
―――――――――
な が い
のに内容薄い…
ごめんなさい、ありがとうございました!
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