すずむら | ナノ





髪を切った。
反応してほしい訳じゃないけど
気付いてくれたらやっぱり嬉しい。

みんな何か言ってくれるだろうか。




黄瀬涼太の場合


「おはよう」


「おはよっスー…あ!みょうじセンパイ髪切ったんスか?」


「うん。中途半端だったから切ったの」


「かわいいっス!似合ってるっスよ!
俺ボブの子好きなんスよ!」


「…」


「センパイ?」


「…チャラいな」


「ヒドッ!」


気付いてくれたのはいいけど
ひたすらチャラかった。

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小堀浩志の場合


「2人とも朝から元気だな」


「あ、小堀先輩。
おはようございます」


「おはよう。お、みょうじ髪切ったのか?」


「はい。どうですか?」


「ん、似合ってる。かわいいよ。」


「あ、ありがとうございます…」


「ちょっとセンパイ!何照れてるんスか!
俺の時はそんな反応じゃなかったじゃないスか!」


「うるさい!!黄瀬は小堀先輩を見習え!」



ナチュラルに褒められて照れた。
今日からHSK(ハイスペック小堀)って呼ぼう。

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早川充洋の場合


「早川ー世界史の教科書貸してー」


「またかよ!おまえ持ってく(る)気ねえだ(ろ)!」


「あるよ失礼な。」


「ったく仕方ねぇな…ん?」


「え、何?」


「おまえ…なんか…」


「うん(気付く…かな?)」


「なんか…変!!」


「変って…もっと他に言いかたないのかばか!」



変わったのは分かるけど何が違うのかまでは分からなかったらしい。

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森山由孝の場合


「おうみょうじ、今日もかわいいな」


「先輩こそ今日もかっこいいですね」


「はは、緊張してるのか?棒読みだぞ?」


「森山先輩相手に緊張とか絶対ないです。
それより私、ちょっと変わったんですけど分かりますか?」


「当たり前だろ。この俺がみょうじの変化に気付かないなんてありえない。


…カーディガンの色、俺と一緒だな」


「やっぱり先輩は残念ですね。
なんか安心しました」



途中まで完全に気付いてた流れだったのに…残念。

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笠松幸男の場合


「すいません、送ってもらっちゃって」


「気にすんな。ついでだから」


「ついで…」


「冗談だよバーカ」


「あいたっ」


「じゃ、また明日な」


「はい!ありがとうございました」


「おう。…みょうじ!」


「なんですか?」


「あー…その…

髪型、に、似合ってる…ぞ」


「え…!気付いてたんですか?
うわ、なんか感動しました!
ありがとうございます!」


「うるせえ!早く帰れバカ!」


「もー照れちゃってー!
かわいいとこあるんですね!」


「うるせえっつってんだよ!シバくぞ!」


「いだっ!もうシバいてます!」



気付かない。と見せかけて気付いてる。男前!





<どうですか?>

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ツイッターで言ってたネタを
小説にしてみました。

早川くんの口調むずい…