すずむら | ナノ




なんとなく、目を開けてみた。

まつげ長いなあ。
人形みたいだ。

いつも思ってたことだけど
こうして見ると改めて思う。

男のくせに美人とか、むかつく。
口を開けばかなりの変人だけど。


そんなことを思いつつ
顔を見つめていると
彼が目を開けた。

唇は繋がったままなので
超至近距離で目が合う。

目が合ったことに驚いたのか
彼、緑間真太郎は勢いよく離れた。
せっかく真太郎のキス顔見てたのに。
てゆうか…


「ふふ、顔真っ赤」


「…うるさいのだよ。
まったくお前は…ムードというものを知らないのか」


「えーいいじゃん別にー
かわいかったよ?」


「かわいいなどと言われても嬉しくないのだよ」


「ほんとのことだもん。
目ぎゅって閉じてるし
まつげ長いし。
かわいくて羨ましいな」


そう言うと顔をしかめながら
メガネのブリッジを押し上げる真太郎。


「あれ、怒った?」


「………」


「しんたろー」


「真ちゃーん」


「みど「なまえ」」


黙ってたかと思えば突然私を呼ぶ真太郎。
そしてそのまま顔を近付けてきた。

え、このタイミングでキス?
やっぱりよく分からないなこの人。

近付いてくる衝撃を受けようと目を瞑る。


…が、待っても来る気配がないのでそっと目を開けると


「どうした?
俺はただ名前を呼んだだけなのだよ。」


「は、」



「もしかして…

キスされると思ったのか?」


そう言ってニヤリと笑う真太郎。
その言葉に頬が熱くなる。


「…っ思って、ない」


「なら何故そんなに顔が赤いのだよ」


「…暑いの」


「そうか?
冷房は強めにかけているのだが」


「……」


私が黙るとまた顔を近付ける真太郎。
そして耳元で

「仕返しだ」

と囁いた。


「やられたら倍にして返すのだよ、俺は」


「…真太郎のそういうとこきらい」


「俺はなまえのどんな所も好きだがな」


「!」


普段はそんなこと絶対言わないくせに…
本当に分からない人だ。
でも、


「……私も好きだよ、ばか」


「ふ、知ってるのだよ。
…なまえ」


顎を持ち上げられ上を向かされる。
熱の篭った目で私を見る真太郎と目が合った。


「キス、してもいいか?」


「っ…勝手にすれば」




このままじゃ悔しいから
次は高尾くんに手伝ってもらって
真太郎を恥ずかしがらせよう。


そう決意し、熱に溺れていった。


<見つめる先には>

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真ちゃん誕生日おめでとう\(^o^)/←

7月中は真ちゃんの誕生日って言っても平気って聞いたので…


しかしこんな展開になるはずじゃ…

読んでくださってありがとうございました!