すずむら | ナノ



それは突然だった。


『俺のこと好き?』


「は?何いきなり」


『いや?ただなまえの口から
聞いたことないなと思ってよ』


「…そうだっけ」


そうなのだ。
付き合ってもうすぐ1年になるが
今まで一度も私から亮に
好き、とか愛してる、などを
言ったことがない。

そういう類いの言葉を言うのが
苦手だし、言葉にしなくても
行動で示してるつもりなので
言う必要もなかった。

それを突然なんなんだこの男は。
ニヤニヤしやがって。


「大体、亮だって言ってくれないじゃない。
どう思ってんのよ私のこと」


『あ?俺は告白した時に言っただろーが。』


「今ちゃんと聞きたい」


『…好きだ』


「わた『私も、はなしな』ちっ…」


見破られた。
この場をどうやってかわそうか悩んでいると


『俺はちゃんと言ったぜ?
で、なまえは俺のことどう思ってんの?』

と顔を寄せてきた。


「ちょ、近…あーもう!
…き、だよ!」


『聞こえませーん。
ほら、俺の目見て言えって』

と、顎をつかまれ
強制的に目を合わされる。


「っ!分かった、言うからあと1分待って!」


『待たねぇ。
それに後回しにするとどんどん言いづらくなるぜ?』


「うっ…でも…恥ずかし、」


『なまえ』


躊躇しまくっていると
色気を含んだ声が私を呼ぶ。

目を逸らしたいけど、
これまた色気のある垂れ目が
私を捕らえて離さない。

ああ、もう。
このサディストめ。


「すき…だよ」


『ふーん、誰を?』


「…!亮のこと!すきだし…あ、あいしてる…よ…」


恥やプライドを捨てて言うと
亮はにやりと笑い


『よく出来ました』

と言い、唇を重ねたあと耳元で


『俺も愛してるぜ?なまえちゃん』

と囁いた。



<たまには、ね>

(〜っもう絶対言わないから!亮のバカ!)
(はいはい…でもそんな俺が好きなんだもんな)
(調子乗んな!)


――――――――

突発三上くんでした!
最初は誠二で書いてたけど
「これ三上のほうがいいんじゃね?!」
ってなったので変更しました。

誠二より三上のがネタ浮かびにくいからとかじゃないです。決して。


ありがとうございました!