一瞬意味が分からなくて、思考が止まる。
次の瞬間、再び沸きあがった歓声。ハッと振り向くと、第二試合が終了したようだった。



「勝者!セト・カイバ!!!」



テーブルに項垂れる少年、その向かい側で、特に感動した様子もなく、平然とした顔で席から立ち上がる茶色い髪の少年がいた。
彼を確認した瞬間、ひくりと顔が引きつってしまう。



セト・カイバ………。


…………海馬瀬人ぉぉ―――――ッ!!?



「アラ、やっぱり向こうのテーブルの勝利はセト・カイバのものになったのね。ユーリ、頑張りなさいよ?アイツ、いろんな国のデュエル大会に出て、優勝しまくってるって話だから。アタシたちの間では有名人よ」



それにしても、アメリカの大会なのに優勝争いが日本人同士ってどうなのかしらねー!なんてケラケラ笑うリディア。しかしそれに返事をする気は、今の僕には起こらなかった。


海馬…海馬瀬人……かいば…せと……か、ぃ……………………。


なんっでこんなとこでエンカウントするんだよおおおおおおおお!!?

国内の全国大会とかでならともかく、なんで国外に来てエンカウントすんの!?ちょっと理解できませんねー!今の僕には理解できない!割とマジで!!
何これフラグ!?ってかどう考えてもフラグにしか見えませんよね!?どうしようどうしようどうすればいいの!?

はわわわわわわわわわわわわわわわわ…!と焦り混乱する僕を、緊張していると思っているのかリディアがぱん!と強めに肩を叩いてきて宥めようとしてくれる。
その時、ふと海馬瀬人がこちらを振り向いた。
ぱちり、と視線が合う。
はわあああああああ幼少の頃からふつくしいですね社長おおおおおおおおお!!!ああ今はまだ社長じゃないんだっけ!?どちらにせよふつくしいっすね畜生逃げたい!!!



「頑張んなさいよ、ユーリ!アタシに勝ったくせに負けたら承知しないんだからね!」



ごめんなさい、今すぐサレンダーしたいです。








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