僕が教えを乞うたのは、まだ日本ではあまり普及していないカードゲーム、「デュエルモンスターズ」。
…呼称がM&Wじゃないあたり、この世界はアニメ沿いだと思ってもいいんだろうか。まあいいか。
主な練習相手はじいちゃんだった。…前世の知識でわかってはいたけど、じーちゃん何気に強すぎだぜ。今のところ43戦全敗ってどういうことなんだろう。一応前世でもそれなりにデュエルモンスターズはやってたんだけどなぁ…。



「僕のターン!『デュナミス・ヴァルキリア』でじーちゃんの伏せカードに攻撃!」

「ほっほ、残念じゃったな。伏せカードはホレ、守護者スフィンクスじゃ」

「えっ、あー!!」



守護者スフィンクス。攻撃力1700、守備力2400という地属性のモンスターだ。
僕のデュナミス・ヴァルキリアは攻撃力1800。…つまり、返り討ち。



「だー!もう、またこのパターンかよう!」

「ホッホ、まだまだ詰めが甘いの。ワシのターンじゃ。じゃあこの伏せカード、『攻撃封じ』を発動し、デュナミス・ヴァルキリアを守備表示に」

「えっ」

「守護者スフィンクスでデュナミス・ヴァルキリアを攻撃じゃ」

「ちょまっ、あー!」

「デュナミス・ヴァルキリア撃破じゃ。そのまま『メデューサの亡霊』でプレイヤーにダイレクトアタック」

「うあああああああああ…!」



負 け た !
あうあうあう…とテーブルの上に突っ伏す。
これで44敗目…!何でだっ!何で勝てないんだちくしょー!
てか『攻撃封じ』って一応この世界じゃレアカード認定なはず…!なんでそんなカード平然と出してくんの!てかなんで持ってんの!



「ホッホッホ。そんなんじゃあまだまだワシには勝てんのう、遊理や」

「くっそ…絶対負かしてやる…!じーちゃんもう一回!」

「今日のおやつは確かケーキだったかのう」

「ぐ…僕の分半分でどうだ…!」

「よし、先攻は譲ってやるかの」



得意げな顔で、じーちゃんは僕のデッキをシャッフルする。この狸爺…!
いい年こいて食い意地張ってんじゃねえよ…!僕は若干恨みのこもった目でじーちゃんのデッキをシャッフルし、返した。



「にゃろう…!今度こそ勝つ!僕のターン、ドロー!」



山札から五枚のカードを引き、あらたにもう一枚追加する。
今度こそ…!



「…………」

「ン?どうしたんじゃ?」



手 札 事 故 !








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