01

さらさらと風に流れる黒い髪。

琥珀色に透き通る宝石のような双眸。

身に纏う衣服も、黒を基調としたものに、冷たいブルーや紫色のラインが入ったものだ。



夜―――――それが、私が彼に抱いた、第一印象だった。



「えっ…と…………」



私が黙したまま何も言わないでいると、少年は困惑したように表情を曇らせた。



「君は…一体……?」



その時、私の視界の端を、白い何かがひらりと掠める。
少年から視線をはずしてそれを追うように見上げると、星空の中に小さな白い紙が舞っているのが見えた。
その紙はひらり、ひらりと風に揺られながら、橋の下へと落ちていってしまう。



「…あっ!」

「…?」



ぼんやりとそれを見送っていたら、突然少年が焦ったような声を上げた。
慌てて川を覗き込む彼に、首をかしげた。



「…どうしたの?」

「え、あ…大事な書類が落ちちゃって…」

「書類?」



さっきのあれか。
私も彼の隣に立ち、川を覗き込んだ。
水面に向かってひらひらと落ちていく白い紙。
うわ、水場かぁ…。ぬれちゃうのは避けられない、かな。

そう思った、その時。



―――ふわり



「…え?」



水面が、仄かに光を放つ。
ふわり、ふわりと、その光が線となり円を描いていく。
それも、一つではない。
まるで橋のように真っ直ぐに伸び、連なっていく光たち。

そして―――やがて現れた“それ”を見て、私は静かに目を瞠った。











「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -