∴ 03 *** 「ん…?」 「おっ、目が覚めた?」 ゆっくりと意識が浮遊する感覚がして、目を開ける。 最初に映ったのは、見慣れない天井だった。 …ここ、どこだ。 そんなことを考えていると、私が目覚めたことに気づいたコウタが近づいてきた。 …って、え?コウタ? 「こーた…?」 「おはよ、チトセ。体調はどうだい?」 「へーき…あれ、こーためじか……………めでかっ、……ちぇっくどーしたの?あと、ここどこ?ラボじゃない」 「(言えなくて諦めた…っ!) も、もう終わったよ。オレもチトセも……で、ここはチトセの部屋…っ」 「…? そう」 なんだかコウタが顔を手で押さえてぶるぶるしてるんだけど、一体なんなんだ。端から見ると不審者だよ、コウタ…。 若干怪しいものを見るような眼差しになりかけて、そこであっと思い出す。 『自室に戻ったら、クローゼットの中を確認してくれたまえ。プレゼントを用意した』 クローゼット。すぅ、と私の視線はそちらに向く。…クローゼット。何なんだ一体。 「チトセ、どうかした?」 「(あっ、復活した) あのね、さっきちぇっく受けたときにね、しぶちょーがクローゼットの中にプレゼントがあるよって」 「支部長!?チトセ、支部長と会ったのか!?」 「? うん、こーたのとき来なかった?」 「普通は来ないよ、でもまぁそっか……チトセ、極東初の新型なんだもんな………一応」 一応って何。 確かに幼女だが中身は貴方とそう変わりません。正真正銘新型ですよコノヤロー。 「チトセ、支部長から気に入られてんのかな」 「…さぁ?」 こてん、と小首をかしげつつ、寝かされていたベッドからぴょんと降りる。 そのままクローゼットまで行けば、気になったのかコウタも後からついてきた。 取っ手に手をかける。 …………支部長からのプレゼント…………変な物じゃなきゃいいけど。彼の本性を知っているせいか、どうにも疑ってしまう。まぁ、もし変な物だったら迅速にツバキ教官に報告かな。 よし、と決心し、私は一度深呼吸をすると、クローゼットの扉を一気に開けた。 「えっ……何これ」 そこに入っていたものに、私は思わずぽかんと口を開けて固まった。 ×
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