安心

「よーっすテッちゃん!」
「和兄さま。」


湯船に浸かっていると和兄さまが白い着物姿で現れた。
守人である和兄さまと真兄さまは僕の身の回りの世話を嫌な顔ひとつせずやってくれる優しい人。


「ほら、背中流すから出てこい」
「自分でやれますよ…?」
「それじゃ俺らのいる意味なくなるじゃんー!何、テッちゃんは俺らがいなくても…」
「ち、違います!それは絶対に違います!だから、だから…いなくならないで…」


湯船から出て和兄さまにすがりつくと、ぐしゃりと髪を撫で回された。


「冗談だってテッちゃん。つーか、離れろって言ってもぜってー離れねぇから安心しろって!な?」
「っ、冗談がきついです…和兄さまのばか…」
「うわーうわー!泣くなって!!悪かったから!」


頭を撫でながら涙を拭ってくれる和兄さま。
本当に、優しい人。


「テッちゃん泣かしたら真ちゃんに怒られるからなーもう大丈夫か?」
「はい…和兄さま、絶対離れないでくださいね?」
「あぁ、心配すんな。離れねーから」


そう言ってぎゅうと抱きしめられる。
安心できる、腕のなか