生き神


「分かりました、その願いを叶えます。」


ぎし、と骨の軋む音がする。
ありがとうございます、ありがとうございます…と繰り返される言葉もどこか遠くに聞こえてきて、意識を手離しかけた。


「命命」


厳しくも優しい声が耳元でする。それと同時に背中に腕が回されたのが分かった。
この声は、真兄さま。


「…さっきの願いは対価を取るべきだったぞ。あと二十人ほどで今日の礼拝は終わる。大丈夫か」
「は、い…すみません…大丈夫です…」
「…………」


小さな小さな声で短く会話をすると、ぐっと体を起こして次の礼拝者を待つ。
ずきずきと頭を痛みが蝕む。
けれど笑みを浮かべ、毅然と振舞い、願いを聞く。
そうしてまた、何度も口にした言葉を発する。


「分かりました、その願いを叶えましょう。」


それが、僕。
生き神“命命”黒子テツヤの役目。