フェンス一枚。それが高校の頃の私と御幸君を隔てる壁だった。

『やってくれました、御幸一也!逆転サヨナラホームランです!』

テレビから実況者の興奮した声が響く。
大学生になった私とプロ野球選手になった御幸君。今の私達を隔てる壁はこの液晶画面だ。
高校生の時から御幸君が好きだった。クラスは三年間一緒で、仲も結構よかった。でも、告白は出来なかった。

フェンス一枚。私と御幸君の間にあったのはたったそれだけだったけど、その先の世界はあの日の私には遠かった。
今は液晶画面一枚。御幸君のいる世界はもっと遠い。

それなのに、私はこの想いを捨てきれずにいた。






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