はるちゃん、と慣れ親しんだ呼び名を口にすれば、「ちゃん付けはやめろ」って不機嫌そうな顔をされた。このやりとりは高校生になってから何度も繰り返してるけど、私は呼び方を変える気はなかった。幼い頃からずっと呼んでいる呼び名なのだ。変えろと言われても簡単には変えられない。
「…次ちゃん付けしたらキスする。」
「はあ!?」
え、今この人なんて言った?
まこちゃんにも聞こえたのか、「ちょっとハル!」って言ってるけど、肝心の本人は知らん顔だ。
「ねぇ、ちょっとはるちゃん!」
今の発言を撤回させようと声をかければ、真っ青なはるちゃんの瞳が私を捕らえる。
あ、しまった…。
気づいた時には私ははるちゃんにキスされていた。