38.4℃。体温計のディスプレイに表示された数字を見た瞬間、体が重くなったような気がする。こうなったら寝てしまおう。そう思って頭から布団を被ったらドアをノックする音。「友達が来てくれたわよ。」って母さんの言葉と同時に部屋に入って来たのは倉持だった。
「ヒャハハ!お前、こんな時期に風邪引くとかバカだろ。」
「…うるさい。」
なんなんだこいつは。わざわざからかいに来たんなら随分暇だな。
「ったく。さっさと治せよ。」
ドサッ、と布団の上に何かが投げられる。こいつ、仮にも病人に向かって何す、る……
「…倉持。」
「…何だよ。」
「ありがと。」
投げられたコンビニの袋の中に入ってたのは、私の好きなものばかりだった。