目が覚めたらそこは見慣れた医務室のベッドの上。あぁ、またか。なんて考えてたら、ぱしりと頭を叩かれた。痛い、と呟いて頭をさすれば、「お前、ホント馬鹿じゃねぇの。」って呆れたような言葉が返ってくる。
「いい加減、力のコントロールくらい覚えろよ。」
「めんどくさい。」
「おい。」
再び頭に伸びてきた手は、今度は私の手によって止められた。そのまま手を離さずに猿比古の方をみる。
「ねぇ、猿比古。」
「なんだよ。」
「もし、私の力が暴走してどうしようも無くなったらさ、その時は猿比古が私のこと殺してよ。」
笑ってそう言えば、猿比古はなんとも言えない表情になる。小さな舌打ちが静かな医務室に響いた。