「さっきから何ニヤニヤしている。」

朝練中、突然真ちゃんにそんな事を言われた。

「え、俺ニヤニヤしてた?」

特に自覚してなくて、自分の顔ペタペタと触ってみる。
ニヤつくほどのことあったっけ?
…なんて考えてたら、みょーじの顔が浮かんだ。

「また頬が緩んでるのだよ。」
「……あー…アレだ!昨日誕生日だったから!」
「…いつまでも浮かれてないで練習に集中するのだよ。」

呆れたというような顔で言われ、いつも通りに返事を返した。
それからは練習中も時々、みょーじの事が頭をよぎった。

昨日、勢いというか成り行きというか…で、みょーじを送ることになって。
最初は気まずくてお互いに何も言わなかったけど思い切って話題をふってみたら思っていた以上に会話は弾んだ。
チェックしてるテレビや好きなアーティストとかがほとんど一緒で話が尽きることはなく、最初の気まずい空気なんてどこかへ消えていた。
みょーじの家着いて、せっかくだからってアドレス交換して。
家帰って母さんに「遅い!」ってちょっと怒られたけど、そんな事はどうでもよくなるくらいあの帰り道は楽しかった。

「ん?まてよ…」

ここまで考えてふと思う。
そーいやさっき真ちゃんは俺がたまたまみょーじの事を思い出した時に、頬が緩んでるって言ったよな?
んでもって、俺は昨日の帰り道が楽しかったし、みょーじの印象もいい意味で変わった。
え、これってもしかして…………

「高尾、何をボーっとしている。早く行かないとHRに遅れるのだよ。」
「…あ、わりぃ!」

真ちゃんの言葉に軽く今までの考えを振り払う。

「…まさか、な。」


|




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -