あんな顔を見たのは初めてで、どうしたらいいか分からなかったんだ。


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「でさ、真ちゃんどう思う?」

ズズーと購買の紙パックジュースを啜りながら真ちゃんの方を見れば、相変わらずおしるこを飲んでいた。
みょーじとのデートから一日、正確にはデートから逃げ出してから一日…。
昼休みであるこの時間に、俺は真ちゃんに相談していた。
内容はもちろんみょーじと伊月さんのこと。

「どう、とはどういう意味だ。」
「え、いや、だから…みょーじと、伊月さんが…」
「付き合ってると思うか、か?」
「っ……。」

自分で考えててもあれだったけど第三者に言われると、更にその言葉が重く感じる。

「お前はそれを俺に聞いてどうするつもりだ。」
「え…?」

突然の言葉にぽかんとなる。
真ちゃんは1つ溜め息を吐くと、おしるこの缶をコンクリートの上に置く。

「俺にそんなことを聞いて、お前はどうするつもりなのだよ。付き合ってるんじゃないか、とでも言われたら諦めるつもりか?」
「真ちゃん…?」

すっ、真ちゃんの手が伸びてくる。
謎の行動に真ちゃんを見てたら…

「いってぇ!!?」

思いっきりデコピンされた。

「だからお前は駄目なのだよ。」
「はぁ?人にいきなりデコピン喰らわしといて何を…」
「みょーじと伊月さんのことは誰かから聞いたわけでもなければ、絶対的証拠があるわけでもない。それなのに悩んで、勝手に落ち込むなんてバカのすることなのだよ。」
「真ちゃん……。」
「こんなとこでうじうじしている暇があるのなら、さっさと人事を尽くしてくるのだよ。」

そう言って俺を見る真ちゃんは、いつも通り自信たっぷりの姿で。

「…やっぱ、エース様には敵わねーな。」

真ちゃんの言う通り、人事を尽くす前から諦めるなんてバカみたいだ。
笑いながら見上げた空はさっきよりも青かった。









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