「高尾君、ごめん!遅くなった!」
みょーじとの約束の日。
俺は待ち合わせの30分くらい前には待ち合わせ場所にいた。
なんか早く目が覚めてしまい家にいるのも落ち着かなかったので、早めに家を出た。
自分でも、遠足前の子供かよ!って思ってたけど今そんなことはどうでもよくなった。
今まで学校くらいでしか会わなかったから、みょーじの私服を見るのは今これが初めてだ。
正直に言おう…めちゃくちゃ可愛い。
雰囲気もいつもと違うし、これ、めちゃくちゃ緊張する。
「電車が少し遅れちゃって…って高尾君?」
みょーじの声に我にかえる。
「あ、わりぃ…電車が遅れたんだろ?だったらしょうがないって。」
申し訳なさそうなみょーじに、気にするな、って微笑めばみょーじはありがとう、っていって笑った。
うん、みょーじは笑ってる方が可愛い。
「映画の時間まで少し時間あるけど、どっか行きたいとこある?」
「あ、特には…。」
「じゃあ、映画館向かいながらそこら辺ぶらぶら…とかでいい?」
いくら時間が中途半端だとは言え、さすがにこれは適当かな…と言った後に思ったが、みょーじが笑顔で頷いたからよしとする。
「そんじゃ行くか!」
そう言ってみょーじの手を握る。
「た、高尾君!?」
「今日休日だから人も多いし、はぐれないように。な?」
笑顔でみょーじの方見むくけど、実は内心めちゃくちゃ焦ってる。
彼氏でもないのに、流石にこれはまずいか…?
気持ち悪いとか言われたら俺、どうしよう…。
「えっと…よろしく、お願いします…?」
俺の焦りなど気付かず、みょーじは少し頬を赤くしながら俺の手を握り返してきた。
………うん、めちゃくちゃ可愛いんだけど!!
なるべく平静さを装いつつ、俺はみょーじの手を引いて歩き出した。
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