ねえ、遙。
生まれ変わったら何になりたい?


会話の始まりは
わたしの何気無い質問から始まった。それはほんとになんの前触れもなく。わたしがなんとなく聞いてみたいとふと思ったからであって深い意味はない。でも、遙だったらきっと。って思うものは幾つか浮かび上がる。



「水」
「え?」


いやいや、いくら水が好きだからって水そのものになりたいだなんて。わたしの予想を遙は斜め上超えていった。水って物でも者でもない。物質ではない、そう液体。透明な。透き通った。そう液体。水。



「遙、いくら水が好きだからって水って…」

「………。」



返事は返ってこなかった。
水になったら存在もなにも、液体だ。どんな感覚なのだろう?感覚?そんなものはないのだろうけど。わたしにはやはり理解に欠けた。


「わたしはね、空を飛べるんだったらなんでもいいなあ」
「空?」
「そう、できるなら鳥がいいなあ。青い空を背景に自由に飛ぶの。」



隣にいる遙がわたしをじーっと見つめたあと上を見上げた。
そしてまたじーっと見つめる。空を。


「なまえは空で自由になりたいのか?」
「うーん、きっと遙が水が好きなようにわたしも空でフリーに泳ぎたいのかもね!」



なんて笑っていうと、
遙はそれも悪くないなって小さく笑った。そう、わたし達は生まれ変わってもただ自由に好きなようにできたらなんでもいいのかもしれない。

フリー。



生まれ変わったら





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テーマ「人外ファンタジー」
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