ぽつり。
ぽつり。
ぽつり。


「雨だ、」




傘はさしてる。傘から伝って聞こえる雨の音は嫌いじゃない。
ぽつぽつ、何だかよーく聞くと楽しかったりする。
でも、足元濡れちゃうのはやっぱり長靴とか用意できてなかったから。なんたって急に天候が悪くなって雨が降り出してきちゃったから。


「なまえ。」



呼ばれて振り返るとそこにいたのはまこちゃんだった。




「まこちゃん!」

「買い物?」

「うん、今日はねカレーにしようかなって。」

「カレーかあ。いいなー。俺んとこ今日なんだったかな?ハンバーグ?」

「ハンバーグ?!いいじゃん!わたしもハンバーグにすればよかったかなー。でも、また戻らないとなの。」

「え、なんで?買い物帰りじゃないの?」

「うん、それがね、肝心の玉ねぎ忘れちゃって…あはは」

「じゃあ、俺んち来る?玉ねぎならあるし持って行きなよ。」




一度は悪いからと断ったのにまこちゃんにうまくのせられて結局甘えることになってしまった。
ほら、行こうと言われて引かれた手は少し雨で濡れてたけど、そこから伝わる微かな熱はきちんとわたしにも伝わってきたものだから、わたしもつられて熱くなってしまったのは気のせい何かじゃなかった。

そして、そのままハンバーグをご馳走になってしまった。



明日は水泳部のみんなでカレーかな?





繋いだ手と手

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