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メイドさんとキキョウさんの着せ替え人形となること、およそ数時間。


やっと決まった洋服は何だかゴスロリっぽい。


黒と白を貴重に、上品な黒レースと黒と白のリボンが可愛い。


頭には服とお揃いのヘッドドレスをつけて、髪は緩く巻かれた。


黒レースのニーハイと黒のリボン付きローファーを履き、完成。


やっぱりこの趣味は健在なんですね、キキョウさん。


「ふふっ、やっぱり名前ちゃんには黒が似合うわ。色白で小柄な名前ちゃんには着物や鮮やかな色の物も似合うけど、一番は黒よ!」


満足そうに私を見てうっとりしながら語り出したキキョウさんとメイドさん達。


「お姉様、着替え終わった?」


キキョウさんに話しかけていいのかと迷っていると、部屋の中にカルト君が入ってきた。


『うん。どう、かな…?』


目の前のカルト君に怖ず怖ずと尋ねると、カルト君はにこりと笑った。


「とっても似合ってるよ!…僕もお姉様ともっと話したかったんだけど、お父様が呼んでるんだ。ねぇ、まだここに居るよね?」


だけどカルト君は不意に悲しげな顔でそう言った。


うるうると潤む瞳は凶器だよ。


『少しの間、お邪魔させてもらおうかなって』


カルト君は私の言葉を聞いて、ぱあっと表情を明るくした。


「ホントにホント?約束だからね!」


『約束だよ!』


指切りを交わして、シルバさんの所へと向かう。


ゴスロリのフリフリが何だか歩きにくかった。




 資格-中編-


〈名前。…やっぱり母さんに遊ばれたんだ〉


《イルミ。…うん、まあね》


〈似合うね、その服。いつもみたいなズボンもいいけど名前はスカート履いてるほうがいいよ〉


《じゃあ普段はスカート履こうかな》
 

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