3

 
「まーっ!名前ちゃんじゃないの!!」


「お姉様、久しぶり」


『お、お久しぶりです。キキョウさん、カルト君』


数日後、やっとのことでククルーマウンテンに着いた。


ギギィ…という音を立てて、試しの門を開ける。


1の扉は片方2トン、両方合わせると4トンで、扉の数字が1上がっていくごとに倍になる。


念を込めると3まで開くけど、素手だと1までしか開かない。


イルミは軽々と3より重い数字の扉を開けてたからなんか腹立つ。


「キルでも3くらい軽く開けられるよ」


『16トンの扉を軽々開ける家族なんて……』


ちょっとした嫌味を言ってやった。


普通の人は1の扉も開けられないっつーの!


そんなことを愚痴りながらゾルディック家の門を潜り、ミケを撫でていると、キキョウさんに捕まった。


出来ればもう少しミケと触れ合っていたかったけど、どうやら諦めないといけなさそうだ。


「あらまあ、お洋服が汚れてるじゃない!名前ちゃん、貴女に似合いそうな服がありますの!!行きますわよ!!」


ぐいっと腕を引っ張られて、そのまま引きずられる形で連れ去られる。


カルト君が私の空いている手を握って着いてくるが、イルミはあーあ、という顔で私を見送っていた。


…このパターンはヤバイよ。


恐らく今までの経験上、これからずっとキキョウのターン。


私ははぁ、とため息をついて諦めた。


どうせ抵抗しても意味ないんだもん。
 

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