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「まーっ!名前ちゃんじゃないの!!」
「お姉様、久しぶり」
『お、お久しぶりです。キキョウさん、カルト君』
数日後、やっとのことでククルーマウンテンに着いた。
ギギィ…という音を立てて、試しの門を開ける。
1の扉は片方2トン、両方合わせると4トンで、扉の数字が1上がっていくごとに倍になる。
念を込めると3まで開くけど、素手だと1までしか開かない。
イルミは軽々と3より重い数字の扉を開けてたからなんか腹立つ。
「キルでも3くらい軽く開けられるよ」
『16トンの扉を軽々開ける家族なんて……』
ちょっとした嫌味を言ってやった。
普通の人は1の扉も開けられないっつーの!
そんなことを愚痴りながらゾルディック家の門を潜り、ミケを撫でていると、キキョウさんに捕まった。
出来ればもう少しミケと触れ合っていたかったけど、どうやら諦めないといけなさそうだ。
「あらまあ、お洋服が汚れてるじゃない!名前ちゃん、貴女に似合いそうな服がありますの!!行きますわよ!!」
ぐいっと腕を引っ張られて、そのまま引きずられる形で連れ去られる。
カルト君が私の空いている手を握って着いてくるが、イルミはあーあ、という顔で私を見送っていた。
…このパターンはヤバイよ。
恐らく今までの経験上、これからずっとキキョウのターン。
私ははぁ、とため息をついて諦めた。
どうせ抵抗しても意味ないんだもん。
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