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次のポドロ対レオリオの戦いが始まると同時に乱入したキルアがポドロを殺した。
周りが騒然となる中、キルアは建物を出る前に私にごめん、と一言。
…こうして、ハンター試験は終わりを迎えた。
私はハンターになるための説明とやらの前に、庭へと出て行くイルミの後を追った。
『イルミ!!』
庭に着いたところで、周りにヒソカしかいないのを確認して私は口を開いた。
「何、名前」
『イルミ、私さ、暗殺一家に生まれたからって自分を殺戮人形だと思ったことない。イルミのことも友達だって思ってる。…イルミはそう思ってくれないの?』
自分勝手な言い分だってことは十分承知だ。
だけど、彼らの考え方だと私も友達を作っちゃいけないことになる。
そもそも友達になるための資格ってなんだろうか。
暗殺者じゃなくて一般人同士ならいいの?
その基準が私には分からないし、理解出来るとも思わない。
「…そっか。名前と友達にもなれないのか。それは嫌だな。じゃあ、こうしよう。相手も友達だって思えば友達を作っていい」
少し考えたイルミはいとも簡単に考えを変えた。
『か、軽くない?私の勇気が…』
「父さん達も名前の言うことはすぐに聞くからいいんじゃない?ね、ヒソカ」
絶をしていたヒソカが私をぎゅっと抱きしめた。
「そうだね◇ほら名前、イルミもこう言ってることだし泣かない、泣かない☆」
いつの間にか頬には涙が一筋流れていた。
私はヒソカとイルミに抱き着いて泣いた。
資格-前編-〈名前が泣くなんて珍しいね◆そんなに悲しかったのかい?〉
《だって、友達じゃないって遠回しに言われたみたいで…》
〈名前のこと友達だって言ったことはないけど、友達じゃないなんてことも俺、一言も言ってないんだけど〉
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