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試験開始から約数十分、レオリオの体力が限界に近づいてきている。
『…レオリオ、大丈夫?』
レオリオは本格的にへばって遂に倒れた。
「ああ、お前らは先に行け。後で追い付く」
フラフラとしていて、酔っ払いのようになったレオリオを見て、立ち尽くす。
「おい、そこの新人。大丈夫か?」
そんなとき、私達の後ろから出て来たのは小太りで、オールバックのおじさん。
「おじさんは?」
ゴンがおじさんに尋ねる。
おじさんは人の良い笑顔を浮かべる。
「俺の名前はトンパ。何度も試験を受けてるから、試験のことなら任せろ」
…なんか嫌な感じ。
絶対何か企んでる。
『…トンパさん、何のご用です?』
私は警戒心剥き出しのまま、トンパを睨んだ。
「おいおい、そんな睨むなよ。あっちの別れ道で休める所があるんだ。良かったら案内するぜ?」
分かれ道って言うと、一定の距離にあったやつだ。
だけど、微かに幻覚の類を見せる甘い匂いが漏れてた。
トンパの目的は、何も知らない新人を潰すことだと直ぐに分かった。
『…私はいいよ。体力はまだあるし』
私は直ぐに断った。
皆を見ると、誰も頷く様子はなさそうで、疑っているようにも見えた。
「本当か!?わりぃが俺は一度休んで行くぜ」
…レオリオは人を疑わないのかな。
少し様子を見よう。
ゴンやクラピカなら、助けに行きそうだし、ここで私が言わなくても大丈夫だろう。
それに、二人のことが分かるから一石二鳥だよね。
銀髪の子は動かないだろうから、私が直接探っていくしかないか。
『じゃあ、また後でね』
こうして、レオリオと別れて別行動が始まった。
罠《さて、私達は進もう?》
〈ああ、そうだな〉
〈レオリオ、大丈夫かなぁ〉
〈さぁな〉
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