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キルアの服をぎゅっと握り締めて、元いた場所に戻る。


次はキルアとイルミの戦いだ。


「んじゃ、行ってくる」


にっ、と笑ったキルアに頑張って、とだけ声をかけた。


結果は目に見えてる。


私は黙って二人を見た。


「始めっ!!」


合図がかかると同時に、イルミはキルアに声をかける。


そして、自分の顔に刺していた鋲を抜いていく。


みるみるうちに元の姿に戻っていき、イルミ本来の顔になった。


「兄、貴…」


目を見開いて驚くキルアに淡々とキルアが家出した後のことを話し始めたイルミ。


キルアは母親であるキキョウと次兄のミルキを刺して家を飛び出したらしい。


「それにしても、まさかお前がハンターになりたかっただなんてね」


「ハンターになりたいわけじゃない。どんなものか、ただ、なんとなく受けてみただけさ」


イルミを前に、キルアは舌をもつれさせながら答える。


顔はみるみるうちに青ざめ、目に生気が感じられなくなってきていた。


「それなら、心おきなく忠告出来る。お前はハンターに向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから」


表情を全く変えずに淡々と述べるイルミ。


更に青ざめていくキルアを残して、とどめを刺すようにこう言った。


「お前は、熱を持たない闇人形だ。自身は何も欲しがらず何も望まない」
 

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