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『…何時まで走るんだろ』
さて、試験が始まりました。
試験官はサトツさんって人で、試験内容はただひたすら走るってもので…。
何か、ハンター試験って想像してた感じと大分違うんだよね。
「これ、何時まで走るんだよ!つーか、何でお前らはそんなにしんどそうじゃねぇんだ!?」
私の二つ隣を走るレオリオは汗だくで、息切れも激しい。
あ、因みに私は、例の四人組と一緒に行動させてもらっている。
「大丈夫?レオリオ」
他の三人は涼しげな顔して走っている。
「チッ、こんなところであきらめられっかよ!」
レオリオはそう言ってペースを上げた。
無謀とも言えるけど、彼の良いところだね。
一見直ぐに落ちそうだけど、案外期待出来る。
ほらだって、しぶとそうだしいい仲間がいるからね。
「名前は疲れてはいないか?」
クラピカは私を心配して声を掛けてくれた。
『うん、平気』
というか、寧ろ余裕です。
「お前さ、何かやってたのかよ?普通の女だったらここらでへばってるだろ」
クラピカと話しながら、そんなことを考えていると、銀髪君が話し掛けてきた。
さて、何て答えようか。
元暗殺者です、でもいいんだけど、今言うのは良くないかなって思うんだよね。
『…ん〜、秘密だよ。君の名前教えてくれたら答えてもいいよ』
ごめんね。
今は言えないんだ。
私も結構警戒心は強いからね。
「ちぇっ、何だよそれ」
君達が信用出来ると思えば教えるからさ。
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