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最終試験が始まる数分前に、ようやくキルアと合流した私達。
「悪い、遅くなっちった」
反省の色は全く見えないが、私はそんなどころじゃなかった。
キルアを見ると、手合わせしたときのことを思い出してしまうのだ。
たまらず下を向いていると、キルアが近づいてきた。
「名前ってばまだ気にしてんのかよ。ったく、これだからお子ちゃまは」
キルアはやれやれと溜息を大袈裟についた。
『別に気にしてないっ!ほら、さっさと向こう行こう!』
私はぷいっとそっぽを向いて、ネテロ会長に近づいた。
「最終試験はトーナメント式じゃ」
マーメンの説明によると、不合格者は一人でトーナメント式。
相手に負けと認めさせれば勝ちで、殺したりすると失格だそうだ。
「では、まずはゴンVS.ハンゾー」
第一試合はゴンが出る。
ハンゾーはゼビル島の時、片っ端からプレートを奪っていた中々強い奴だ。
だから、この試合はハンゾーのほうが有利だと言えるんだけど、何せ相手はゴン。
どうなるかは最後まで分からないだろう。
『頑張って、ゴン』
「うん、行ってくるよ」
ゴンが部屋の真ん中へと向かった。
ハンゾーも同じように部屋の真ん中へと行き、試合が始まった。
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