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部屋から出て少し経ちました。
只今私は迷子になっています。
『あれ、此処何処…?』
何だか最近こういうことよくあるなぁー。
幸い、ホテル程度の高さなら怖くないからまだ冷静でいられるため何とかなるだろう。
そう思って辺りを見回す。
『……本格的に迷ったっ!』
周りに誰も居ないし、来たばかりでここの建物のことを把握していなかったんだった。
どうしようと焦っていると、ポケットが震えた。
なんだと思い、ポケットに手を突っ込むと、ケータイがでてきた。
そういえば私、ケータイ持ってたんだったと思い出しながらケータイを開くと、ヒソカから“今どこ?”とメールがきていた。
プルルル…プルルル…
『あ、もしもしヒソカ?』
知らないところに一人で居ることが不安になってきたため、ヒソカに電話をかけた。
〔名前、君今何処にいるんだい?今から面接があるようだよ◇〕
電話の向こうにいるヒソカは私を探していたらしく、ヒソカの足音が聞こえた。
『何処にいるか分からない。目印も特にこれと言ってないんだよね。強いて言うなら、部屋がいっぱいある』
私がそう答えると、ヒソカは溜息をついた。
〔仕方ないから僕が何とかして見つけるよ◇気配は消さないでね?君、気配を消すことは人一倍上手いから◇〕
『うん、分かった。歌でも歌って待ってる』
どうやらヒソカが私のことをどうにかして見つけてくれるようなので、私はゆっくり待っていることにする。
ヒソカは絶対見つけてくれる気がするから、私は電話を切って、安心しながら待つ。
『あ、そういえば、キルア達ってケータイ持ってるのかな?今度会ったら聞こう』
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