3
「安心しなよ。俺もちょっとスピード上げるからさ」
にっ、と笑い合い再び攻撃を始める。
キルアのスピードが速くなったせいで、
キツくなってきた。
ぴしゅっ
『…っ!!』
そんなことを考えていると、キルアの指が私の頬を掠って、血が滲んだ。
ヒリヒリと頬が痛み、一瞬注意力が途切れたところを狙って、キルアが私を押し倒して腕を拘束した。
「抵抗しても無駄だぜ」
ニヤリと笑ったキルアが私を見下ろしながらそう言った。
確かに動けそうにない。
『あーあ。私の負けだね』
完全に力を抜いて負けを認めると、キルアは私の上に倒れ込んだ。
「疲れたー!名前ってば本気出してねぇのにこの強さかよ」
悔しそうに私の顔の横で呟いてるキルアを見て、念のことがバレたかと思った。
『キルアはやっぱり強いね…。なんか悔しい』
念はほとんど使ってないから8割くらいの力を使った。
きっと全く念を使わなきゃ、9割は出してるだろうな。
「名前ってダメージほぼ受けないっつーかさ、何かの技なんだろうけど。俺に合わせて使わなかったんだろ?」
『今はまだ何の技とか教えられないんだけど、まあ使わなかった』
「だったら今はまだ名前のが強いってことじゃん。ま、力と体力は俺のがあるけど」
話しながら、キルアはくるりと反転して私をキルアの上に乗せた。
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