2
速い…。
何がって、キルアの動きが。
流石、イルミやシルバさんが育てただけあって、いくら念を覚えていないとはいえそれなりの強さがある。
私は出来るだけ念を使わずに、キルアの攻撃を避けて様子を見る。
「名前も避けてばっかじゃなくて、攻撃してこいよっ!!」
キルアが私が攻撃を仕掛けるように促した。
『んじゃ、そろそろキツイし遠慮なく』
太もものベンズナイフの隣のホルダーに入っている小型ナイフを二本取り出す。
「そうこなくっちゃな」
私は絶をしてキルアから隠れる。
私の気配が消えると、キルアはゆっくりと目を閉じた。
やっぱり相手もプロだから、頭をつかわなきゃ勝ち目はなさそうだ。
先ずは、キルアの出方を見るとしよう。
私は絶のままキルアの後ろに立ち、ナイフを首筋ヘ―…。
あともう少しのところでキルアからの蹴りが飛んできた。
それを紙一重で避けて、体勢を立て直すも、直ぐに攻撃が仕掛けられて吹っ飛んだ。
「名前、お前…軽くねぇ?ちゃんと飯食ってる?」
壁に当たる前にオーラで身体を包んだから、ダメージはほとんどない。
キルアは、立ち上がって砂埃を落とす私を見ながら軽いと言ってきた。
『一日5食ぐらい食べてるよ。だから重いと思うんだけど』
私はそう答えた。
実際、私は毎日5食は必ず食べているため、結構重いはず。
同じ歳の子と体重なんか比べたこと無いからよく分からないけど。
「マジ?よく太らねぇな」
『その分動いてるからね』
「俺、名前って極力動かない奴だって思ってた」
…まあ、確かにそうかもだけど。
でも、動くときは動くよ。
『失礼だな。あながち間違っちゃいないけどさ。…次はちょっと速く動くね』
ヒソカとずっと一緒に居たからか性格がヒソカみたいになってきた。
キルアみたいに強い奴が相手だとぞくぞくする。
[ 49/153 ][*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]